セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-術後合併症 |
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タイトル | 外P-624:年齢と併存疾患からみた腹腔鏡補助下胃切除術の周術期成績 |
演者 | 田中 直樹(東北大・胃腸外科) |
共同演者 | 鹿郷 昌之(東北大・胃腸外科), 柴田 近(東北大・胃腸外科), 工藤 克昌(東北大・胃腸外科), 神山 篤史(東北大・胃腸外科), 大沼 忍(東北大・胃腸外科), 佐々木 宏之(東北大・胃腸外科), 長尾 宗紀(東北大・胃腸外科), 森川 孝則(東北大・肝胆膵外科), 小川 仁(東北大・胃腸外科), 吉田 寛(東北大・肝胆膵外科), 元井 冬彦(東北大・肝胆膵外科), 内藤 剛(東北大・胃腸外科), 三浦 康(東北大・胃腸外科), 片寄 友(東北大・肝胆膵外科), 江川 新一(東北大災害科学国際研究所), 海野 倫明(東北大・肝胆膵外科) |
抄録 | 【背景】年齢および併存疾患が腹腔鏡補助下胃切除術(LAG)の周術期成績与える影響を検討した.【対象と方法】対象は胃癌に対する腹腔鏡補助下胃切除術を施行した161例,男性114例,女性47例,平均年齢65才.75才以上36例(22.5%),80才以上15例(9.4%).術前ASA分類はclass 1:51例,2:74例,3:36例.抗凝固・血小板薬内服17例.術式は全摘:52例,幽門側切除:97例,噴門側切除:12例.ASA分類はclass 1,2をA群,class 3をB群として検討.【結果】年齢とASA分類および抗凝固・血小板薬の有無の関係を検討すると,いずれも68才がcut off値となり,68才以上の症例でASA分類B群および抗凝固・血小板薬内服が多かった.一方,年齢,ASA分類および抗凝固・血小板薬の有無は,術式,郭清度,手術時間とは相関しなかった.出血量は61g : 110gとB群で有意に多く,抗凝固・血小板薬有りで同様に多い傾向であった.Clavien分類でgrade 2以上の合併症を27例(16.8%)に認めたが,年齢,術式,郭清度,手術時間,出血量とは相関がなく,ASA分類B群と抗凝固・血小板薬内群で有意に多かった(相対リスク各2.4).術後在院日数もASA分類B群,抗凝固・血小板薬内服群で長かった.一方,80,75才をそれぞれcut offとして,合併症の有無および術後在院日数を検討したが,高齢者での有意な増加は認めなかった.【結語】当科のLAG症例でも,高齢者で重度の併存疾患が多いことが確認された.年齢および併存疾患にかかわらず同等の術式・郭清度が選択されていた.併存疾患を持つ症例で,出血量および術後合併症が多く,術後在院日数が長かったが,これらの要素は年齢とは相関しなかった.年齢よりもASA分類や抗凝固・血小板薬内服の有無が合併症発生や術後在院期間の延長に寄与しており,周術期リスクの指標として有用と思われた. |
索引用語 | 腹腔鏡下胃切除, 併存疾患 |