セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-術後合併症

タイトル 外P-626:

胃癌化学療法後のR0切除症例における術後合併症の検討

演者 大槻 忠良(福井大附属病院・消化器外科)
共同演者 廣野 靖夫(福井大附属病院・消化器外科), 藤本 大裕(福井大附属病院・消化器外科), 澤井 利次(福井大附属病院・消化器外科), 森川 充洋(福井大附属病院・消化器外科), 小練 研司(福井大附属病院・消化器外科), 村上 真(福井大附属病院・消化器外科), 五井 孝憲(福井大附属病院・消化器外科), 飯田 敦(福井大附属病院・消化器外科), 片山 寛次(福井大附属病院・がん診療推進センター), 山口 明夫(福井大附属病院・消化器外科)
抄録 【目的】当科では高度進行胃癌症例に対して,術前に化学療法(SP療法またはDCS療法)を行ったのち,R0切除が可能と判断した症例に対して積極的に手術を施行してきた.術後合併症や経過について2剤併用と3剤併用の比較検討を行った.【対象】2004年1月1日~2012年12月31日に,術前にSP療法または分割DCS療法を施行しR0切除手術を行った症例(SP群:11例,DCS群:18例)を対象とした.術後合併症についてはClavien-Dindo分類を用いて検討した.SP療法はSPIRITS試験レジメンを5週1コースとして,DCS療法はDOC:30-35mg/m2(Day1,15),CDDP:30-35mg/m2(Day1,15), S-1:80mg/m2(Day1~14)を4週1コースとして行った.【結果】各項目につきSP群,DCS群の順で述べると,男女比:7/4,15/3.平均年齢:68.1歳,64.3歳.胃癌取扱い規約第14版におけるcStage IIB/IIIA/IIIB/IIIC/IV:0/0/1/2/8,1/4/3/2/8.化学療法1コース/2コース/3コース以上:2/5/4,3/12/3,術式TG/DG/PG/PD:3/5/3/0,9/6/2/1.郭清度D2/D3:11/0,15/3.化学療法効果判定Grade0/1a/1b/2/3 : 0/3/4/3/1,0/6/2/6/4.最終抗がん剤投与日~手術までの期間:33.8日,30.8日.また,術前の経口栄養剤やTPNによる栄養補助あり/なし:6/5,2/16.術前TP平均値:6.75,6.49,術前Alb平均値:4.05,3.92.術後合併症ではClavien-Dindo分類Grade I/II/IIIa/IIIb/IV:4/6/1/0/0,10/6/2/0/0であった.合併症の内訳はSP群で急性膵炎2例,胸水貯留・無気肺1例,中心静脈カテーテル感染1例,腹水貯留1例,TPNによる栄養管理2例,DCS群では膵液瘻2例,急性膵炎2例,胸水貯留2例,TPN 6例(重複あり).GradeII以上の合併症を呈した割合:63.6%,44.4%であった.両群に有意差は認めなかった.【結語】2剤併用より3剤併用の方が合併症の増加するようなことはなかった.
索引用語 胃癌, 術後合併症