セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-術後合併症

タイトル 外P-627:

胃癌患者における体成分分析装置を用いた術前リスク評価の有効性

演者 山田 卓司(東京女子医大・消化器外科)
共同演者 碇 直樹(東京女子医大・消化器外科), 谷口 清章(東京女子医大・消化器外科), 笹川 剛(東京女子医大・消化器外科), 喜多村 陽一(東京女子医大・消化器外科), 山本 雅一(東京女子医大・消化器外科)
抄録 【背景】高リスク患者の手術では適応や手術内容に細心の注意が必要となるが, 既存のリスク評価法は必ずしも満足できるものではない. 今回胃癌患者に対し,多周波生体インピーダンス法(BIA)を用いた体成分分析で後ろ向きにリスク評価を行い, 既存のリスク評価法と比較しその有効性を検討した. 【対象と方法】対象は2011年9月から2013年2月に当院にてBIAによる体成分分析評価後に胃癌の手術を施行した83例(幽門側胃切除:40例, 幽門保存胃切除術:12例, 噴門側胃切除:8例, 胃全摘:23例). そのうち術後合併症は13例(内訳:創感染5例, 縫合不全4例, 胃内容停滞2例, 誤嚥性肺炎1例, イレウス1例)に認め(合併症群), これを術後経過良好であった70例(経過良好群)と比較検討した. なお体成分分析は約2分間の立位保持が必要であるため, PS(Performance status)0-1の症例に限定した. 検討項目は患者背景(年齢, 性別, 併存疾患, 進行度), 術前身体測定結果(身長,体重,BMI),術前体成分分析結果(体筋肉割合,体脂肪割合,浮腫割合),術前小野寺指数(以下:PNI), 術前modified Glasgow Prognostic Score (以下:mGPS)とした. 【結果】体成分分析の体筋肉割合は合併症群で有意に低値であった. 他の検討項目である体脂肪割合, 浮腫割合, 患者背景, 身体測定結果, PNI, mGPSはいずれも2群間で差を認めなかった. 【考察】本研究で術前の筋肉量測定が手術リスク評価に有用である可能性が示された. 一般にPS低下症例では手術リスクが高いとされているが, 筋肉量の測定はこれを数値化し, より鋭敏な指標としてみている可能性がある.
索引用語 リスク評価, 体成分分析