セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-再発・転移

タイトル 外P-632:

胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術後再発症例の検討

演者 安田 貴志(兵庫県立がんセンター・消化器外科)
共同演者 高瀬 功三(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 原田 仁(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 大山 正人(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 長谷川 寛(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 大原 忠敬(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 押切 太郎(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 千堂 宏義(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 杉本 武巳(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 藤野 泰宏(兵庫県立がんセンター・消化器外科), 富永 正寛(兵庫県立がんセンター・消化器外科)
抄録 【目的】胃癌に対する腹腔鏡下胃切除術が普及しているが,同術式の長期予後について十分なエビデンスはない.今回,胃癌に対する腹腔鏡手術後の再発例を報告し検討を加える.【対象】当院の現時点での腹腔鏡下胃切除術の適応はDGはcStage IBまで,TGはcStage IAまでであり,それ以上のものは適宜臨床試験下で実施している.2年以上の経過観察がなされた,2006年1月から2010年12月までに腹腔鏡下に根治切除された胃癌227例.内訳は,DG/TGでそれぞれ199/28例,pStage IA/IB/IIA/IIB/IIIA/IIIB (胃癌取り扱い規約;第14版)でそれぞれ182/15/8/3/5/4例.【結果】pStage IIAの1例とpStage IIIBの2例,計3例(1.3%)に再発を認めた.以下に詳細を記する.【症例1】71歳,女性.cT1bN0, StageIAでLADG(D1+)を施行.pT3(SS)N0M0, Stage IIA, sig ly1 v0と診断され術後補助化学療法を実施しなかった.術後2年で腹膜播種再発を認めて化学療法施行.術後3年2ヶ月で原病死.【症例2】48歳,女性.cT2(MP)N0, Stage IBの診断でLADG(D2)を施行.No.3リンパ節が迅速診で転移陽性と診断されたので開腹移行.pT3(SS)N3b(28/93)M0, Stage IIIB, por2 ly3, v0と診断され術後補助化学療法実施.術後1年9ヶ月で傍大動脈リンパ節再発および右卵巣転移を認めて化学療法施行.術後2年6ヶ月で他院へ移られ以後生死不明.【症例3】71歳,男性.cT1bN1, Stage IBでLADG(D2)を施行.pT3(SS)N3b(28/35)M0, Stage IIIB, tub2 ly3 v0と診断され術後補助化学療法実施.術後9ヶ月で傍大動脈リンパ節再発および肝転移を認めた.術後2年6ヶ月現在,化学療法2nd line施行中.【まとめ】pStage IA/IBでは再発を認めず当院の手術適応は妥当と思われる.再発3例中2例はpN3bと高度リンパ節転移例であった.郭清範囲外のリンパ節再発であり,1例は開腹移行もしておりD2郭清精度の問題ではないと考えるが,今後のさらなる症例追跡検討が必須であると考えられる.
索引用語 腹腔鏡下胃切除, 術後再発