セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-再発・転移

タイトル 外P-633:

当院におけるHER2陽性胃癌に対するTrastuzumab投与の治療成績

演者 谷口 清章(東京女子医大・消化器外科)
共同演者 笹川 剛(東京女子医大・消化器外科), 山田 卓司(東京女子医大・消化器外科), 宮本 仁呂子(東京女子医大・消化器外科), 碇 直樹(東京女子医大・消化器外科), 成宮 孝祐(東京女子医大・消化器外科), 工藤 健司(東京女子医大・消化器外科), 松永 雄太郎(東京女子医大・消化器外科), 喜多村 陽一(東京女子医大・消化器外科), 山本 雅一(東京女子医大・消化器外科)
抄録 (はじめに)切除不能進行・再発胃癌の予後は不良で,治療成績を向上させるため,主たる治療である新規抗癌剤が求められている.胃癌においてHuman Epidermal Growth Factor Receptor 2(以下HER2)の過剰発現が17~19%にみられことより,HER2タンパクに特異的に結合するTrastuzumabによる分子標的治療の臨床試験が行われ,HER2陽性の切除不能進行・再発胃癌に対する有効性,安全性が示された.今回当院でのHER2陽性胃癌に対するTrastuzumab投与の治療成績を報告する.(対象と方法)2011年4月から2012年10月に当院にて化学療法を行った切除不能・再発胃癌50例を対象とした.(結果)1. 切除不能・再発胃癌50例のうちHER陽性胃癌は5例(10%)であった.2. 病理学的背景では高分化型が3例,中分化型が1例,低分化型が1例であった.3.非治癒因子は1因子のものが4例で,2因子のものが1例であった. 1因子の内訳は腹膜転移2例,遠隔リンパ節転移1例,肝転移1例であった.4.化学療法抵抗性肝転移例に対しTrastuzumabu投与により腫瘍マーカーの低下と腫瘍の縮小を認めた.5. 遠隔リンパ節転移の症例で1次治療としてTrastuzumabu投与を投与し,短期間に腫瘍縮小効果が得られ,根治切除可能となった症例を認めた.(まとめ)HER2陽性の切除不能進行・再発胃癌に対するTrastuzumabu投与は短期間で抗腫瘍効果が得られ,根治切除し得る症例を認めた.
索引用語 胃癌, 再発