セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-その他

タイトル 外P-637:

ICG蛍光法胃癌センチネルリンパ節生検における至適tracer投与量

演者 木南 伸一(金沢医大・一般・消化器外科)
共同演者 大西 敏雄(金沢医大・一般・消化器外科), 森岡 絵美(金沢医大・一般・消化器外科), 甲斐田 大資(金沢医大・一般・消化器外科), 大野 由夏子(金沢医大・一般・消化器外科), 富田 泰斗(金沢医大・一般・消化器外科), 野口 美樹(金沢医大・一般・消化器外科), 舟木 洋(金沢医大・一般・消化器外科), 表 和彦(金沢医大・一般・消化器外科), 上田 順彦(金沢医大・一般・消化器外科), 中野 泰治(金沢医大・一般・消化器外科), 小坂 健夫(金沢医大・一般・消化器外科)
抄録 【目的】腹腔鏡手術に適した胃癌センチネルリンパ節(SN)生検法としてICG蛍光法が注目されている.ICG蛍光を検出可能な腹腔鏡(IR scope)の市販に伴い普及が見込まれるが,それには至適なtracer投与法の確立が急務である.教室では以前より,術前日に100倍希釈(50μg/ml)のICGを腫瘍周囲4か所へ経内視鏡的に投与する方法を提唱してきた.経内視鏡色素投与に関し,青系色素では0.2ml x 4と,0.5ml x 4の報告がある.前者が技術的に難しいが成績は良好と考えられていた.100倍希釈ICG蛍光法での投与量はどちらが至適かは不明である.腹腔鏡補助下ICG蛍光法SN生検におけるtracerの至適投与量を検討した.【ICG蛍光法の概要】ESD適応外で,術前診断でN0と診断された,長径5cm以下の0型胃癌を対象とする.ICG蛍光の検出にはPDE (浜松ホトニクス社製)を,IR scopeはOLYMPUS社もしくはSTORZ社製を用いる.ICGは50μg/ml(100倍希釈)に調整し,手術前日に内視鏡を用いて腫瘍周囲4箇所の粘膜下層に局注する.PDE観察で強く蛍光するリンパ節をBrN,BrNの存在するリンパ流域をlymphatic basinと定義する.【方法】各0.2ml投与と0.5ml投与の2群を設け,BrNおよびbasinの数と分布に差が生じるかを検討した.【結果】SN生検を52例に試み,転移例は7例,転移検出感度・正診率ともに100%であった.うちx100は47例で,0.2ml投与は28例,0.5ml投与は19例であった.BrNの中央値は,0.2ml群で6個(2~10個),0.5ml群で6個(4~11個)であった.Lymphatic basinの数は,0.2ml群で1流域39%,2流域54%,3流域7%,0.5ml群では,1流域42%,2流域53%,3流域5%であった.IR scopeを用いてのbasin観察は両群とも可能であった.【断案】術前日100倍希釈ICG経内視鏡的投与では,0.2ml x4か所投与の症例と0.5ml x4か所投与の症例ではセンチネルリンパ節の分布に差がなかった.技術的に容易な0.5ml投与が標準法として推奨される.
索引用語 センチネルリンパ節, 腹腔鏡手術