セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)胃-基礎研究 1 |
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タイトル | 外P-639:胃癌細胞における Trefoil factor 3(TFF3)発現の臨床病理学的意義 |
演者 | 近藤 哲(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
共同演者 | 田中 光司(三重大大学院・消化管・小児外科学), 三枝 晋(三重大大学院・消化管・小児外科学), 志村 匡信(三重大大学院・消化管・小児外科学), 北嶋 貴仁(三重大大学院・消化管・小児外科学), 奥川 喜永(三重大大学院・消化管・小児外科学), 石野 義人(三重大大学院・消化管・小児外科学), 安田 裕美(三重大大学院・消化管・小児外科学), 問山 裕二(三重大大学院・消化管・小児外科学), 大井 正貴(三重大大学院・消化管・小児外科学), 荒木 俊光(三重大大学院・消化管・小児外科学), 井上 靖浩(三重大大学院・消化管・小児外科学), 内田 恵一(三重大大学院・消化管・小児外科学), 毛利 靖彦(三重大大学院・消化管・小児外科学), 楠 正人(三重大大学院・消化管・小児外科学) |
抄録 | 【背景】:Trefoil factor 3(TFF3)は,消化管粘膜の修復に関与しており,主に小腸や結腸の杯細胞より分泌されている.また,腫瘍細胞における TFF3 の発現異常と,腫瘍の進行との関与が複数の癌腫で報告されており,大腸癌では低発現で悪性度が高いとする報告がある.今回,胃癌細胞における TFF3 の発現と,臨床病理学的因子および予後との関連について検討した.【対象と方法】:2001 年から 2011 年に当科で手術を施行した胃癌患者のうち,病理組織学的な検討が可能であった 351 例を対象として抗 TFF3 抗体(abcam,希釈 1:1000)を用いて免疫組織染色を行い,TFF3 発現スコアと臨床病理学的因子および予後(overall survival:OS)との関連を検討した.【結果】:TFF3 は,正常の胃細胞で発現がみられなかったが,胃癌細胞の細胞質では発現しており,89 例(26%)で陰性,260 例(74%)で陽性であった.胃癌細胞における TFF3 発現スコアと臨床病理学的因子との関連を検討すると,高発現群と腫瘍径(p<0.01),壁深達度(p<0.01),リンパ管侵襲(p<0.01),脈管侵襲(p=0.03),リンパ節転移(p<0.01),UICC stage 分類(p<0.01)との間に有意な関連を認めた.単変量解析では,高発現群と OS との間に有意な関連を認めた(HR=2.06,95%CI 1.06-2.54,p=0.03).【考察】:胃癌細胞の細胞質における TFF3 の高発現は,壁深達度やリンパ節転移と関連しているとともに,胃癌の予後予測因子になりうる可能性が示唆された. |
索引用語 | 胃癌, TFF3 |