セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-基礎研究 1

タイトル 外P-641:

胃癌におけるINHBA発現のbiomarkerとしての有用性

演者 大島 貴(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター)
共同演者 國崎 主税(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 金澤 周(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 土田 知史(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 佐藤 勉(横浜市立大・外科治療学), 湯川 寛夫(横浜市立大・外科治療学), 吉川 貴己(神奈川県立がんセンター・消化器外科), 利野 靖(横浜市立大・外科治療学), 今田 敏夫(横浜市立大・外科治療学DELIMITER済生会横浜市南部病院・外科), 益田 宗孝(横浜市立大・外科治療学)
抄録 【目的】inhibin beta A (INHBA)はTGF-βsuper familyのligandであり,近年in vitroの研究でINHBAの発現は癌の増殖に関与していることが報告されている.われわれは,DNA microarrayを用いた胃癌のbiomarkerの候補の検索において,INHBA遺伝子の胃癌組織/近接正常粘膜の発現比が12.8倍と過剰発現を認めたことから,胃癌におけるINHBA遺伝子発現に着目しそのbiomarkerとしての有用性について検討した.【方法】術後5年以上経過した胃癌症例227例を対象とした.内訳はStage IB/II/III/IVが 29/59/88/51例で,StageII/III症例147例のうち,S-1のadjuvant chemotherapyを施行した症例は80例,手術単独症例は67例であった.これらの症例の胃癌および近接正常粘膜の凍結検体よりmRNAを抽出し,定量PCR法にてINHBA遺伝子の相対的発現量を計測し,全症例における臨床病理学的因子および治療成績との関係,StageII/III胃癌症例に限定したS-1のadjuvant chemotherapyの有無による治療成績の差異について検討した.【結果】INHBA 遺伝子は近接正常粘膜と比較して癌組織で有意に高発現であった(P<0.0001).臨床病理学的因子との検討では,深達度,Stageおよび脈管侵襲と相関を認めた.INHBA遺伝子の高発現では有意に生存率が不良であった(P=0.0320).StageII/III胃癌症例に絞って検討すると,手術単独症例ではINHBA遺伝子発現で生存率に差はなかったが,S-1の補助化学療法を施行した症例ではINHBA遺伝子の高発現で有意に生存率が不良であった(P=0.003).【結論】胃癌切除症例において,INHBA遺伝子発現が有用な予後不良因子である可能性が示唆された.またS-1のadjuvant chemotherapyを施行するStageII/III胃癌症例において,INHBA遺伝子発現は有用なbiomarkerであることが示唆された.
索引用語 胃癌, INHBA