セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-基礎研究 1

タイトル 外P-642:

胃癌診療における血漿中マイクロRNA miR-451,miR-486の意義の検討

演者 小西 博貴(京都府立医大大学院・消化器外科学)
共同演者 市川 大輔(京都府立医大大学院・消化器外科学), 生駒 久視(京都府立医大大学院・消化器外科学), 森村 玲(京都府立医大大学院・消化器外科学), 山本 有祐(京都府立医大大学院・消化器外科学), 有田 智洋(京都府立医大大学院・消化器外科学), 庄田 勝俊(京都府立医大大学院・消化器外科学), 小松 周平(京都府立医大大学院・消化器外科学), 塩崎 敦(京都府立医大大学院・消化器外科学), 窪田 健(京都府立医大大学院・消化器外科学), 村山 康利(京都府立医大大学院・消化器外科学), 栗生 宜明(京都府立医大大学院・消化器外科学), 中西 正芳(京都府立医大大学院・消化器外科学), 藤原 斉(京都府立医大大学院・消化器外科学), 岡本 和真(京都府立医大大学院・消化器外科学), 大辻 英吾(京都府立医大大学院・消化器外科学)
抄録 (背景)これまでに胃癌組織における癌抑制型マイクロRNA(miR)とされているmiR-451,miR-486が,胃癌血漿中で健常者に比較して有意に増加しており,胃癌の手術後には減少を認める事から,これらが胃癌のbiomaekerとなる可能性を報告してきた.今回,胃癌患者血漿中における両miR量と臨床因子との相関を検討する事で,胃癌診療における有用性を検討した.(方法)当院での胃癌術前患者血漿中の両miR量と臨床病理因子との相関を検討し,再発・無再発症例での両miR量の推移を検討した.(結果)胃癌術前患者56例において血漿中のmiR-451量はリンパ管浸潤,進行度,癌遺残と有意な相関(p<0.05)を示し,また血漿中のmiR-486量は癌遺残とのみ有意な相関(p<0.05)を示した.いずれも進行例ほど,血漿中での両miR量は減少を認めた.術後再発症例3例と無再発症例3例での検討では,再発症例では再発時に両miRNAの上昇を認め,1例では既存の腫瘍マーカーでは再発による変動を確認できなかった.無再発症例3例ではいずれも腫瘍マーカーの上昇を認めず,うち2例では両miR量の増加は確認できなかった.無再発症例1例では術後の血漿中両miR量の再上昇を認めており,臨床的には再発を認めないものの,慎重にフォローアップ中である.(結論)胃癌患者の術後フォローアップや再発予測においても血漿中両miRの測定は有用な可能性があり,さらなる症例の集積が必要である.
索引用語 胃癌, マイクロRNA