セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

胃-基礎研究 2

タイトル 外P-644:

c-stage III/IV胃癌における診断的腹腔鏡の成績

演者 土田 知史(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センターDELIMITER済生会横浜市南部病院・外科)
共同演者 國崎 主税(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 渡辺 卓夫(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 小野 秀高(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 大島 貴(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 福島 忠男(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 湯川 寛夫(横浜市立大・外科治療学), 吉川 貴己(神奈川県立がんセンター・消化器外科), 利野 靖(横浜市立大・外科治療学), 今田 敏夫(済生会横浜市南部病院・外科), 益田 宗孝(横浜市立大・外科治療学)
抄録 【目的】進行胃癌において,正確な進行度診断のための診断的腹腔鏡(SL)の有用性が報告されているが,その対象については十分に明らかとはなっていない.当センターではc-stage III/IV胃癌を対象にSLを施行しており,その妥当性について検討した.【方法】2012/02-2013/02にc-stage III/IVと診断し,SLを施行した初発胃癌41例.耐術困難例や中等度以上の腹水貯留例は除外.SL前後での病期を比較した.【成績】SL前診断は,T 3/4a/4b;2/34/5,N 1/2/3;10/13/18,M 0/1;26/15で,stage IIIA/IIIB/IIIC/IV;12/9/5/15.SLは2または3ポートで施行し,平均手術時間は44分,術後合併症は認めなかった.SL後診断はstage IIB/IIIA/IIIB/IIIC/IV;2/11/6/2/20.SL前後でT4a→3が4例,T4b→4aが2例.またSL前P0の35例中9例がSL後P1 or CY1,SL前P1の6例は全例SL後P1 or CY1であった.H0→1を1例認めた.その結果,stage IIIA→IIBが2例,stage IIIB→IIIAが1例,stage IIIC→IIIBが1例とdown stageを4例,IIIB→IVが3例,stage IIIC→IVが2例とup stageを5例に認めた.またSL前stage IVの15例中,非治癒因子数が1→2因子が10例中6例認めた.後治療は,stage IIの2例は胃切除,stage IIIの5例が胃切除,14例がNACの臨床試験に参加され現在までに11例で胃切除を施行した.また,stage IVは20例全例で化学療法が施行され,1例が化学療法後に胃切除を施行した.胃切除を施行した19例では,1例に開腹時に新たに腹膜播種を認めた.【結論】SL前後で臨床病期およびstage IV非治癒因子数に相違を認めた症例は15例(36.6%)であった.SLは正確な病期診断に有用であり,Stage III/IV胃癌を対象とすることは妥当と思われたが,さらなる対象の絞り込みも検討の余地がある.
索引用語 診断的腹腔鏡, 進行度診断