セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

十二指腸-治療

タイトル 外P-654:

内視鏡的十二指腸切除に起因する穿孔時に手術介入は必要か?

演者 加藤 卓也(広島市民病院・外科)
共同演者 藤原 康弘(広島市民病院・外科), 松川 啓義(広島市民病院・外科), 塩崎 滋弘(広島市民病院・外科), 桂 佑貴(広島市民病院・外科), 坂本 修一(広島市民病院・外科), 戸嶋 俊明(広島市民病院・外科), 浜岡 道則(広島市民病院・外科), 三宅 聡一郎(広島市民病院・外科), 三好 永展(広島市民病院・外科), 丁田 泰宏(広島市民病院・外科), 金澤 卓(広島市民病院・外科), 原野 雅生(広島市民病院・外科), 小島 康知(広島市民病院・外科), 濱田 円(広島市民病院・外科), 大野 聡(広島市民病院・外科), 岡島 正純(広島市民病院・外科), 二宮 基樹(広島市民病院・外科)
抄録 【目的】近年,十二指腸に対する内視鏡治療が増加しているが,十二指腸では壁が薄く切除時の穿孔は約15%とも報告されており高率である.一方,穿孔時の治療法については確立されていないのが現状であるが,組織障害性の高い胆汁・膵液に曝露されることから,治療に難渋する例も多い.今回,我々は内視鏡治療で生じた十二指腸穿孔例に対する手術介入の妥当性について検討した.【方法】内視鏡的粘膜切除術(EMR)もしくは内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)により穿孔を来し,手術介入を施行した全4例を対象とした.【成績】男性:女性=2:2.EMRが2例,ESDが1例,ESDからEMRへ処置中移行した例が1例であった.場所は,すべて非乳頭部であり,十二指腸下行脚主乳頭対側が2例,球部前壁が1例,水平脚前壁が1例であった.3例で術前にCTを撮影しており,腸管外ガスは全例で指摘できた.手術介入までの時間は平均3時間(1~6時間)であり,手術時間の中央値は2:23(1:33~3:46)であった.全例穿孔部と消化液による腸管外汚染が確認できた.施行術式は3例で十二指腸部分切除・単純縫合術が,1例で十二指腸球部切除・胃十二指腸吻合術が選択された.在院日数の中央値は19日(11~33日)であり,合併症が誤嚥性肺炎の1例のみであった.手術に伴う縫合不全や狭窄は認めず,病理組織学的検査にて全例根治切除が得られていた.【結論】微小穿孔例であっても消化液による腸管外汚染を認め,手術介入による確実な洗浄ドレナージ術と穿孔部位閉鎖術が必要と考えられた.また早期の手術介入では,比較的低侵襲な手術を安全に施行でき,術後合併症を低率に抑える可能性があると考えられた.
索引用語 十二指腸穿孔, 手術