セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

十二指腸-治療

タイトル 外P-656:

十二指腸腫瘍性病変に対する腹腔鏡内視鏡合同手術(laparoscopy endoscopy cooperative surgery; LECS)の経験

演者 平木 修一(防衛医大・外科)
共同演者 辻本 広紀(防衛医大・外科), 高畑 りさ(防衛医大・外科), 吉田 一路(防衛医大・外科), 松本 佑介(防衛医大・外科), 堀口 寛之(防衛医大・外科), 野村 信介(防衛医大・外科), 小野 聡(防衛医大防衛医学研究センター・外傷研究部門), 山本 順司(防衛医大・外科), 長谷 和生(防衛医大・外科)
抄録 【緒言】十二指腸腫瘍は,その解剖学的特性から膵頭十二指腸切除術など,QOLを著しく損なう術式が選択される症例も存在する.一方で,早期癌や一部の神経内分泌腫瘍では,リンパ節転移の可能性が低く,内視鏡治療や局所切除を推奨する報告も存在する.今回我々は,2009年からこれまでの間,早期十二指癌,神経内分泌腫瘍に対して腹腔鏡内視鏡合同手術(LECS)により切除した症例を経験したので報告する.【手術術式】全身麻酔下で腹腔鏡による十二指腸の授動後,内視鏡下でEMR用キャップにて腫瘍を全層性に吸引,切除した.穿孔部位は腹腔鏡的に結節縫合した.【結果】疾患は,十二指腸Neuroendocrine tumor 3例,十二指腸癌2例であった.占居部位は球部前壁2例,下行脚・乳頭対側2例,水平脚1例.平均手術時間152(130-179)分,出血量13(1-37)g.平均腫瘍最大径12.1mm(8-21mm),平均切除標本最大径27mm(19-37mm).平均術後在院日数は17.7日(7‐57日).切除断端はいずれの症例においても陰性であった.合併症に関しては,水平脚切除例でstasisにより長期入院を要したが,保存的に改善を得た.また,1例で術後30日目に縫合不全で再入院し,保存的治療を行った.その他には術後合併症を認めなかった.【考察】本術式は低侵襲であり,十二指腸腫瘍に対する診断的治療,あるいは根治的手術として非常に有用であると考えられた.一方で,術後合併症対策に関する検討が必要であり,長期予後に関しても今後の検討課題であると考えられた.
索引用語 腹腔鏡内視鏡合同手術, 十二指腸腫瘍