セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)十二指腸-症例 1 |
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タイトル | 外P-661:潰瘍性大腸炎術後に消化管出血をきたしIFXを使用した4例 |
演者 | 松岡 宏樹(兵庫医大・外科(下部消化管外科)) |
共同演者 | 内野 基(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 坂東 俊宏(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 広瀬 慧(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 平田 晃弘(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 竹末 芳生(兵庫医大・感染制御学), 池内 浩基(兵庫医大・外科(下部消化管外科)), 冨田 尚裕(兵庫医大・外科(下部消化管外科)) |
抄録 | 症例1)19歳男性. 13歳時に潰瘍性大腸炎(以下UC)発症し,内科的治療抵抗性にて大腸全摘+J型回腸嚢肛門吻合術(IPAA)+回腸人工肛門造設術施行.人工肛門からの出血続き内視鏡施行.十二指腸にCMVを示唆する深ぼれ潰瘍と体下部から下行脚にかけてUCの胃十二指腸病変を示唆する多発性のびらんと顆粒状変化あり,GCVと5-ASA製剤を開始.深ぼれ潰瘍は改善認めるも胃十二指腸病変は改善なくIFXを導入.症例2)67歳女性.直腸癌合併のUCにて大腸全摘術施行.手術から約3ケ月後に人工肛門からの多量の出血あり十二指腸・小腸に広範囲粘膜脱落した潰瘍を認めた.TAEにて止血をおこなうも,再出血を繰り返しその後1週間のうち合計4回のTAEを必要とした.4度目のTAE後よりIFX導入.症例3)62歳男性.内科的治療抵抗性のUCにて大腸全摘術+IPAA+回腸人工肛門造設術施行.12病日より人工肛門から下血あり造影CTで十二指腸下行脚にextravasation認めた.内視鏡的止血は困難でTAEを行った.その後の内視鏡で十二指腸球部から下行脚にかけての霜降り様の脆弱な粘膜を認めUCの胃十二指腸病変が示唆された.同部位からの出血にてその後2回のTAEを行った後IFXを導入した.症例4)63歳男性.内科的治療抵抗性のUCにて大腸全摘+IPAA+回腸人工肛門造設術施行.16病日に腹痛・嘔吐ありCT上free airあったため緊急手術施行.十二指腸球部の穿孔認め同部を大網充填とした.食事開始後も吸収不良およびstomaからの出血認め,カプセル内視鏡で空腸上部・回腸の中部から下部にかけての不整型潰瘍の多発および内視鏡で十二指腸球部から水平脚にかけて粘膜粗造な発赤を伴う浮腫状粘膜を確認し,IFXを導入した.【考察】UC術後の消化管出血に対し,IFXを投与し導入後は再出血のない4症例を経験した.いずれもUCの胃十二指腸病変が原因の1つと考えられ,IFXまで必要となる症例は我々が検索しうる限り殆どなかった. |
索引用語 | 潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ |