セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

十二指腸-症例 2

タイトル 外P-664:

リンパ節転移を伴った巨大十二指腸GISTの一切除例

演者 猪股 研太(慶應義塾大・一般消化器外科)
共同演者 北郷 実(慶應義塾大・一般消化器外科), 田邉 稔(慶應義塾大・一般消化器外科), 板野 理(慶應義塾大・一般消化器外科), 篠田 昌宏(慶應義塾大・一般消化器外科), 八木 洋(慶應義塾大・一般消化器外科), 阿部 雄太(慶應義塾大・一般消化器外科), 日比 泰造(慶應義塾大・一般消化器外科), 大平 正典(慶應義塾大・一般消化器外科), 藤村 智賢(慶應義塾大・一般消化器外科), 門多 由恵(慶應義塾大・一般消化器外科), 永 慈教(慶應義塾大・一般消化器外科), 香月 優亮(慶應義塾大・一般消化器外科), 田中 真之(慶應義塾大・一般消化器外科), 筒井 りな(慶應義塾大・一般消化器外科), 石井 政嗣(慶應義塾大・一般消化器外科), 岸田 憲弘(慶應義塾大・一般消化器外科), 北川 雄光(慶應義塾大・一般消化器外科)
抄録 (症例)51歳女性.2011年9月にタール便を認めたため当院受診.上部消化管内視鏡検査で十二指腸に壁外性圧排を認め,一部粘膜面より出血を認めたため内視鏡的に止血した.腹部CT検査にて,膵頭部背側から腸間膜に14×10×10cmの富血性の腫瘍を認めGISTが疑われた.他に明らかな転移は認めず,門脈合併切除を伴う亜全胃温存膵頭十二指腸切除を施行した.また,腫瘍は横行結腸と一塊となっており,横行結腸を合併切除した.腫瘍は十二指腸原発と考えられ,病理組織診断はGIST, high-risk group, ly+, v+, pv+, n+(1/8)であり,c-kitがびまん性に陽性,MIB-1陽性率は1~5%であった.切除断端は陰性であった.術後補助療法としてimatinib 400mg/dayを開始した.術後6カ月目の腹部CT検査で肝S3に10mm大の低吸収腫瘍を認めたが,腹部超音波検査では嚢胞様であった.術後10カ月の腹部CT検査で肝腫瘍は増大傾向であったため肝転移と診断し,初回術後1年目に腹腔鏡下外側区域切除術を施行した.腫瘍はc-kit陽性であり,嚢胞状変化を伴ったGISTの肝転移と診断された.術後にimatinib 400mg/dayを再開しその後無再発生存中である.(考察)GISTに対しての治療は手術が第一選択であり5年生存率は50%程度であるが,腫瘍径の大きいものではさらに予後が悪く20%程度とも言われている.本症例のように,切除可能であっても補助化学療法に加えて再発巣の早期発見や切除が必要であり,予後改善のためにriskに応じた適切なサーベイランスが必要である.今回,当院の十二指腸GIST手術治療症例に若干の文献考察を加えて報告する.
索引用語 GIST, 十二指腸