セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

十二指腸-症例 2

タイトル 外P-665:

十二指腸神経内分泌腫瘍にて幽門輪温存/亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行した3例

演者 早崎 碧泉(伊勢赤十字病院・外科)
共同演者 宮原 成樹(伊勢赤十字病院・外科), 楠田 司(伊勢赤十字病院・外科), 高橋 幸二(伊勢赤十字病院・外科), 松本 英一(伊勢赤十字病院・外科), 藤井 幸治(伊勢赤十字病院・外科), 熊本 幸司(伊勢赤十字病院・外科), 山岸 農(伊勢赤十字病院・外科), 村林 紘二(伊勢赤十字病院・外科)
抄録 消化管神経内分泌腫瘍(GI-NET)は比較的稀な症例であり,診断・治療方針に難渋することも多い.今回我々は,十二指腸NETにて幽門輪温存/亜全胃温存膵頭十二指腸切除術を施行された3例を経験したので文献的考察を加えて報告する.【症例1】36歳男性,主訴は心窩部痛・黒色便.GIFにて十二指腸球部~下行部にかけて20mmの粘膜下腫瘍指摘され当院へ紹介された.CT,MRIでも同部に内腔側に突出する隆起性病変指摘.生検にてカルチノイド腫瘍疑われ,亜全胃温存膵頭十二指腸切除術施行.病理検査にて十二指腸カルチノイド腫瘍,十二指腸NET,G1.術後5年無再発.【症例2】56歳女性,主訴は右上腹部痛.USにて胆石・総胆管拡張・膵管拡張指摘され当院へ紹介された.GIFにてVater乳頭腫大を認め,生検にて低分化型腺癌否定できない所見であった.EUSにて十二指腸下行部より観察すると13mmの低エコー腫瘤が膵管を圧排するように存在.EUS-FNAは陰性.EST後生検も陰性,CTではVater乳頭部に腫瘤様構造を認め,#13リンパ節転移が疑われた.MRCPでは総胆管・主膵管が拡張しており乳頭部付近で途絶を認めた.非露出腫瘤型乳頭部癌疑いで幽門輪保存膵頭十二指腸切除術施行.病理検査では十二指腸NET,G2,ソマトスタチン陰性.術後4年無再発.【症例3】59歳女性,主訴は貧血.GIFにて十二指腸腫瘤を指摘され当院へ紹介された.Vater乳頭の口側に広基性病変を認め,隆起に向かってbridging folds伴いSMTと診断.EUSにて粘膜下層~固有筋層に及ぶ内部不均一でやや低エコー腫瘤認め,EUS下生検にてソマトスタチン産生十二指腸NETと診断された.CTでは十二指腸下行部に境界明瞭内部不均一で一部に造影効果を示す25mm腫瘤を認めた.亜全胃温存膵頭十二指腸切除術施行.病理検査にて十二指腸NET,G2,ソマトスタチン陽性.術後1年半無再発.
索引用語 十二指腸, 神経内分泌腫瘍