セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)大腸-症例 6 |
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タイトル | 外P-667:S状結腸癌による小腸結腸瘻の4例 |
演者 | 宮原 誠(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科) |
共同演者 | 中須賀 千代(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 多田 耕輔(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 一宮 正道(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 藤田 雄司(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 秋山 紀雄(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 久保 秀文(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 長谷川 博康(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科), 宮下 洋(綜合病院社会保険徳山中央病院・外科) |
抄録 | 結腸癌による消化管内瘻は比較的稀な合併症であり,なかでも小腸との瘻孔形成は非常に稀である.今回われわれは,小腸との間に内瘻を形成したS状結腸癌の4例を経験したので,若干の文献的考察を加え報告する.【症例1】62歳男性.下痢を主訴に当院受診.大腸内視鏡検査で,S状結腸に3型腫瘍を認め,注腸造影で腫瘍部から小腸への造影剤の漏出を認めた.胸腹CTで肝・肺転移を認めた.S状結腸切除,小腸部分切除術を施行.径55mmのS状結腸腫瘍が,回腸末端より230cm口側小腸に,約4cmの範囲で浸潤し,瘻孔を形成していた.病理組織学的には,中分化管状腺癌であり,進行度Stage IVであった.化学療法施行後,転移巣切除を行ったが,術後2年6ヶ月後に死亡した.【症例2】78歳女性.下血を主訴に当院受診.大腸内視鏡検査で,S状結腸に3型腫瘍を認めた.腹部CTで,S状結腸腫瘍部に近接する回腸内腔に腫瘍の突出像を認めた.S状結腸切除,回腸部分切除術を施行.径120mmのS状結腸腫瘍が,回腸末端より2~12cm口側回腸に浸潤し,瘻孔を形成していた.病理組織学的には,中分化管状腺癌であり,進行度Stage IIであった.現在,化学療法施行中である.【症例3】57歳男性.排尿時痛を主訴に当院受診.大腸内視鏡検査で,S状結腸に腫瘍を認め,注腸造影で腫瘍部から小腸への造影剤の漏出を認めた.S状結腸切除,小腸部分切除術を施行.径160mmのS状結腸腫瘍が,回腸末端より70cm口側回腸に,約20cmの範囲で浸潤し,瘻孔を形成していた.病理組織学的には,中分化管状腺癌であり,進行度Stage IIIbであった.入院中,脳転移が判明し,術後2か月後に死亡した.【症例4】65歳女性.腹痛,嘔吐を主訴に当院受診.大腸内視鏡検査でS状結腸に3型腫瘍を認めた.S状結腸癌と診断し手術を施行,癌は,Treitz靭帯より約70cm肛門側小腸に浸潤しており,S状結腸切除,小腸部分切除術を施行した.摘出標本で,S状結腸腫瘍部と切除小腸との間に瘻孔形成を4カ所認めた. |
索引用語 | S状結腸癌, 小腸結腸瘻 |