セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

大腸-症例 8

タイトル 外P-682:

経胃瘻的イレウス管減圧術が有効であった慢性偽性腸閉塞の一例

演者 加藤 礼(昭和大・消化器・一般外科)
共同演者 村上 雅彦(昭和大・消化器・一般外科), 渡辺 誠(昭和大・消化器・一般外科), 榎並 延太(昭和大・消化器・一般外科), 藤森 聡(昭和大・消化器・一般外科), 大塚 耕司(昭和大・消化器・一般外科), 青木 武士(昭和大・消化器・一般外科), 加藤 貴史(昭和大・消化器・一般外科)
抄録 44歳女性,便鮮血陽性で当院消化器内科に紹介.下部消化管内視鏡検査前の下剤内服により亜イレウスとなったが保存的に改善認めた.下部消化管内視鏡検査を施行し,回腸終末部に狭窄を伴う潰瘍性病変が観察されたが,生検では炎症細胞浸潤であった.検査後,食事を開始したところ再度イレウス状態となったため,手術適応と判断され当科転科.内視鏡像より腹腔鏡下回盲部切除術を施行したが第4病日より再度イレウスとなる.イレウス管挿入するが改善傾向なく,癒着性イレウスの診断のもと,第12病日に再手術を施行した.術中所見では骨盤底への回腸の強固な癒着が認められ,吻合部を含めた腸切除を施行した.しかし,術後も改善なくイレウス管造影検査でも明らかな狭窄はなく,腸閉塞状態が持続した.摘出病理標本では,回腸は単純潰瘍のみであり,最終的に慢性偽性腸閉塞と診断した.高圧酸素療法,消化管蠕動薬を積極的に施行したが効果なく,イレウス管の長期管理が必要と判断し,経胃瘻的イレウス管チューブに変更した.変更後は,咽頭の違和感も消失し,一部経口摂取も可能となり患者QOLは改善された.専門の施設へ転院後,排便,排ガスもあり,イレウス管も抜去でき,経口摂取が可能となった.経胃瘻的イレウス管が,以後の治療に有効となった慢性偽性腸閉塞の一例を経験したため若干の文献的考察を含めて報告する.
索引用語 慢性偽性腸閉塞, 経胃瘻的イレウス管