セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-症例 1

タイトル 外P-692:

胃カルチノイド再発と鑑別困難であった腹腔内デスモイド腫瘍の1例

演者 平沼 知加志(公立能登総合病院・外科)
共同演者 徳楽 正人(公立能登総合病院・外科), 守友 仁志(公立能登総合病院・外科), 古川 幸夫(公立能登総合病院・外科), 牛島 聡(公立能登総合病院・外科), 中泉 治雄(公立能登総合病院・外科)
抄録 胃カルチノイド再発と鑑別が困難であった腹腔内デスモイド腫瘍の1例を経験した.症例は75歳,男性.胃体上部大弯に約1cmの隆起性病変を認め,生検にてカルチノイドと診断しESDを施行した.大きさは0.8×0.8cm,深達度smで脈管侵襲や切除断端は陰性だった.しかし4か月後の上部消化管内視鏡検査にてESD瘢痕部の生検で再発と診断された.ガストリンは4264pg/dlと高値だった.短期間で再発したことや術前に検出できない微小カルチノイドなどの可能性も考慮し2011.1月,D1+7郭清を伴う胃全摘術を施行した.瘢痕部に5.7×0.3cmのカルチノイドを認めたがリンパ節転移を認めなかった.術後ガストリンは低下した.術後1年,CTにて食道空腸吻合部付近に軟部陰影を認めた.ゆっくりと徐々に大きくなり術後約2年,CTで19mm大の腫瘤を認めた.高ガストリン血症は認めず.MRIではT1低信号T2淡い高信号を呈した.FDG-PETでは膵体部腹側にeSUV3.4の腫瘤を認めた.良性または低悪性度を示唆していたがカルチノイド再発の可能性を否定できず,2013.1月手術を行った.腫瘍は拳上空腸間膜に存在し周囲を巻き込んでいるように見えたため周囲組織とともに切除した.病理検査にて腫瘍は紡錘形細胞の増殖と間質の膠原線維からなり核分裂像はまれで,腸間膜に発生した腹腔内デスモイドと診断された.
索引用語 腹腔内デスモイド腫瘍, 胃カルチノイド再発