セッション情報 |
ポスターセッション(消化器外科学会)
その他-症例 2
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タイトル |
外P-698:当院における腹腔鏡下緊急手術の検討-腹腔鏡下閉鎖孔ヘルニア手術の経験から-
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演者 |
有田 淳(東戸塚記念病院・外科) |
共同演者 |
高橋 和裕(東戸塚記念病院・外科), 三島 圭介(東戸塚記念病院・外科), 鈴木 隆文(東戸塚記念病院・外科) |
抄録 |
【はじめに】当院では平成24年4月より鏡視下手術を本格導入し,胃癌,大腸癌などの定型手術のみならず急性虫垂炎,イレウス,上部消化管穿孔などの様々な急性腹症においても鏡視下手術で行なって良好な結果を得ている.さらに確定診断困難な急性腹症においても,積極的に腹腔鏡観察を行い,次の治療方針を決定することにも役立てている.今回我々は腹腔鏡下閉鎖孔ヘルニアの一例を経験し,腸切除を行なわず術後経過好な経過を認めたので報告する.【症例】65歳女性,【既往歴】特記すべきことなし【主訴】左股関節痛【現病歴】平成25年2月下旬数日前よりの持続する左股関節痛を主訴に当院救急外来受診左股関節周囲炎の診断のため整形外科入院していたが,疼痛増強するため外科紹介となった.消化器症状および腹部所見は認めず,左大腿部にRomberg徴候認めたため腹部骨盤CT検査施行したところ左閉鎖孔に回腸の陥入を認め,左閉鎖孔ヘルニアと診断された.同日緊急手術となった.手術は全身麻酔科に臍部に12mmポート,5mmポート2か所の3ポートで行なった.術中所見では閉鎖孔に回腸の陥入を認めた.把持鉗子にて回腸の損傷に注意しながら大網を引き出し次に回腸を引き出した.回腸は閉鎖孔内の腹膜との癒着もなく比較的容易に整復できた.回腸はRichter型ヘルニアで整復後循環障害は速やかに改善したため腸切除は行なわなかった.発症より48時間以上が経過しており感染の可能性が考えられたためメッシュは挿入せず腹膜にZ縫合施行し,大網を縫着し閉鎖孔を閉鎖した.ドレーンは挿入せず閉腹し手術を終了した.出血は少量,手術時間は40分であった.【考察,結語】今回我々は当院における一年間で経験した本症例を含めた鏡視下手術を施行した急性腹症症例につき診断および経過につき文献的考察を加え報告する. |
索引用語 |
鏡視下手術, 急性腹症 |