共同演者 |
蔵 昌宏(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 橋村 俊哉(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 稲森 雅幸(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 松本 伸治(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 小林 啓子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 本多 紀子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 長谷 圭吾(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 長井 直子(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 井谷 裕香(八尾市立病院・緩和ケアチーム), 佐々木 洋(八尾市立病院・外科) |
抄録 |
【はじめに】当院は,病床数380床の急性期病院であり,大阪府がん診療拠点病院に指定されている.当院における消化器癌患者に対する緩和医療の現状について報告する.【対象と方法】当院では,2008年2月から緩和ケアチーム(PCT)が活動を開始し,消化器癌患者に対しても積極的に介入を行っている.2008年2月から2013年2月までにPCTが介入した,消化器癌患者72例を対象とした(大腸癌17例,膵癌17例,肝細胞癌13例,胆道癌12例,胃癌10例,十二指腸癌2例,小腸癌1例).PCTの介入状況について検討した.【結果】当院のPCTはコンサルテーション型の緩和ケアを行っており,構成は,医師5名(外科医,麻酔科医,内科医),看護師6名(緩和ケア認定看護師2名含む),薬剤師1名,MSW1名,臨床心理士1名,事務職2名の計16名である.活動内容は,週3回緩和ケア回診を施行し,さらに週1回カンファレンスを開催し,個々の症例に詳細な検討をしている. PCT依頼内容は,疼痛コントロールが多く, PCT介入後,オピオイド製剤や鎮痛補助剤の使用量の増加やオピオイドローテーションなどが全例で施行されていた. PCT介入時期は,72例中48例(67%)が最終入院中であった.最終転帰は,死亡退院58例,転院・在宅移行13例,入院中1例であった.PCT発足時に比べ,最近の症例は,疼痛コントロール以外の精神症状などに対する依頼件数も増加傾向にある.また,緩和ケア講習会などを行うことで,医療従事者に対する緩和医療の意識改革に努めている.【まとめ】消化器癌患者に対して,PCTが介入することにより,適正な薬剤使用などの介入効果を認めた.今後の課題としては,1.PCT介入していない患者に対しても適宜コンサルトに応じること2.治療早期から家族ケアも含めて介入すること3.在宅緩和ケアの地域連携の体制作りなどがあげられる. |