セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)その他-基礎研究 |
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タイトル | 外P-709:再生の足場材料を用いた癒着防止材 -腹腔鏡手術に応用可能な新規癒着防止材gelatin flakeの特性について- |
演者 | 辻本 洋行(同志社大・生命医科学DELIMITERうえだ下田部病院・外科) |
共同演者 | 高森 秀樹(同志社大・生命医科学DELIMITERグンゼ(株)・研究開発センター), 辻 美咲(同志社大・生命医科学), 池田 潤基(同志社大・生命医科学), 折笠 太一(同志社大・生命医科学), 吉田 千子(同志社大・生命医科学), 宮本 博恵(同志社大・生命医科学), 堀井 常人(同志社大・生命医科学), 御座本 雄軌(同志社大・生命医科学), 鳥井 裕子(同志社大・生命医科学), 鈴木 周子(グンゼ(株)・研究開発センター), 森田 真一郎(グンゼ(株)・研究開発センター), 筏 義人(グンゼ(株)・研究開発センター), 萩原 明郎(同志社大・生命医科学) |
抄録 | [背景]腹部外科手術において現在汎用されている吸収性癒着防止材(セプラフィルムなど)は,消化管吻合部の縫合不全の頻度を上昇させるとのことから,創傷部の治癒過程も抑制している可能性がある.そこで我々は再生の足場材料であるgelatinを用いた熱架橋gelatin filmを開発し,その優れた癒着防止・腹膜再生効果と消化管吻合部へも安全に使用できることを本学会にて報告してきた.しかしfilm状癒着防止材は術中の取り扱いが難しく,特に腹腔鏡手術への応用は困難とされる.今回我々は同じくgelatinを用いて腹腔鏡手術にも応用可能な形状を有する新規癒着防止材gelatin flakeを作製したのでその基本的特性について報告する. [方法と結果] gelatin溶液を凍結乾燥し,適正な粒子sizeに粉砕化することによりgelatin flakeを作製した.さらに乾熱処理を加えた熱架橋gelatin flakeも作製した.ラット盲腸を擦過したモデルにおいて,両gelatin flakeは,flakeを噴霧するための腹腔鏡手術用deviceにて噴霧可能で,損傷部にて水分や血液を速やかに吸収しゲル化し同部を被覆した.これに対しより粒子の小さなgelatin powderは,多くが損傷部から流出しゲル化はあまり起こらなかった.一方より大きな粒子のgelatin flakeは,deviceを詰まらせ噴霧は困難であった.次にラットの癒着モデルを用いて各gelatin flakeの癒着防止効果を調べたところ,両gelatin flakeは無処置群に比べ有意な癒着防止効果を認めた.[結論] gelatin flakeは,潜在的にgelatin filmの腹膜再生効果と安全性を有し,腹腔鏡手術においても応用可能と思われる,優れた癒着防止材であると考えられた. |
索引用語 | 癒着防止, 腹膜再生 |