セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-ヘルニア 1

タイトル 外P-711:

腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術導入後の初期成績について~従来法と比較して~

演者 大谷 裕(松江市立病院・腫瘍化学療法・一般外科)
共同演者 倉吉 和夫(松江市立病院・消化器外科), 梶谷 真司(松江市立病院・消化器外科), 河野 菊弘(松江市立病院・消化器外科), 吉岡 宏(松江市立病院・消化器外科), 金山 博友(松江市立病院・消化器外科)
抄録 筆者は2008年4月~現任地で勤務をスタートし,過去4年間にわたって消化器・一般外科手術を担当してきた.当院では年間約450例の消化器・一般外科手術が行われているが,その内の15~20%が鼠径部および腹壁ヘルニア関連手術である.2008年3月までは,鼠径ヘルニア手術に対してはPerfix plugを用いたplug mesh法が行われていたが,筆者が勤務し始めた同年4月以降は,術式をKugel法(modified Kugel法も含む)に変更た.Kugel法施行症例の中で,両側例の見逃しによる術後早期の対側発症,発生期序が不可解な術後早期再発例などを経験し,より確実な診断と治療の為に,鼠径ヘルニアにも腹腔鏡視下手術の導入が不可欠と考えた.筆者は前勤務先で腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TEP)を初めて経験し,数例の術者の経験があったが,それはいずれも指導者の監視の下で行った手術であり,自らがinitiativeを取って施行した経験が無かったため,当院での導入早期にどにようなstepを踏むべきか苦慮する時期が続いた.2010年10月に,当院初の鏡視下ヘルニア根治術を指導者の下で施行し,その後は他院での手術見学やセミナーへ積極的に参加する事で基礎を学び,2011年10月に筆者主導で初めての腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TAPP)を施行した.2012年12月までに35例(TEP23例,TAPP12例)を経験したが,手術時間の平均値でKugel法と比較して約2倍の差を認めたが,それ以外の因子(平均在院日数,術後合併症など)に有意な差を認めなかった.導入当初の治療成績としてはまずまずと考えるが,鏡視下手術特有のトラブルを経験したり,鏡視下手術を導入してみて初めて分かった事も浮き彫りになり,最近では術式を工夫(改良)して良好な結果を得ている.当科での取り組みや従来法との比較,術式特有の問題点などの考察とともに,腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術導入早期の治療成績について報告する.
索引用語 腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術, 手術成績