セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-ヘルニア 1

タイトル 外P-713:

成人Nuck管水腫に対する2手術例(前方アプローチとhybrid TAPPを比較して)

演者 谷岡 利朗(札幌厚生病院・外科)
共同演者 横田 健太郎(札幌厚生病院・外科), 川村 秀樹(札幌厚生病院・外科), 渋谷 一陽(札幌厚生病院・外科), 久慈 麻里子(札幌厚生病院・外科), 渡会 博志(札幌厚生病院・外科), 田原 宗徳(札幌厚生病院・外科), 山上 英樹(札幌厚生病院・外科), 秦 庸壮(札幌厚生病院・外科), 益子 博幸(札幌厚生病院・外科), 石津 寛之(札幌厚生病院・外科), 岡田 邦明(札幌厚生病院・外科), 高橋 昌宏(札幌厚生病院・外科)
抄録 <目的>成人発症のNuck管水腫に対する治療は,再発,内膜症合併,悪性の可能性などから手術により,水腫を確実に摘出することが重要である.腹膜外から到達する前方アプローチと腹腔内を観察できるTAPPを組み合わせた方法(以下hybrid TAPP)は,治療の確実性,整容性ともに高い手術法であると考える.<方法>当院で行われた成人Nuck管水腫に対する前方アプローチ(以下前方)とhybrid TAPP のそれぞれ1例ずつを比較した.<結果>前方は35歳女性,右Nuck管水腫の診断.手術は右鼠径部に4.5cmの皮切をおき,腹膜外からの操作のみによる手術を行った.JHS I-2で修復にUPPを使用.手術時間は60分.Hybrid TAPPは27歳女性,右鼠径ヘルニアの診断.手術は臍においたマルチポートより5mmポートを2つ,右側腹部に5mmポートを1つ挿入し,TAPPで腹腔内からの操作を行った.腹腔内からの観察で右Nuck管水腫の診断となるも,Sacが腹腔内からは引き出せず,右外陰部に約2cmの皮切をおき,腹膜外からの操作を行った.JHS I-1で修復にTiLENE extra lightを使用.手術時間は120分.どちらも病理組織検査所見で内膜症,悪性所見は認めなかった.<結論>腹膜外,腹腔内双方からの直視による病変の確認が可能であり,病変の確実な摘出ができるhybrid TAPPはNuck管水腫の治療に有効と考えられる.マルチポートの使用と,前方より外陰部に皮切をおくことにより,整容性にも留意することが可能であった.
索引用語 Nuck管水腫, 手術