セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-ヘルニア 1

タイトル 外P-714:

成人Nuck管水腫内に発症した子宮内膜症の2例

演者 横山 靖彦(松江生協病院・外科)
共同演者 山本 佳生(松江生協病院・外科), 佐藤 崇(松江生協病院・外科), 橘 球(松江生協病院・外科), 内田 正昭(松江生協病院・外科)
抄録 女性に発症する鼠径ヘルニアは男性に比べて頻度が低いが,婦人科臓器の滑脱など特異的な鑑別を要する症例が多い.今回我々はNuck管水腫内に発症した子宮内膜症の稀な2例を経験したので報告する.症例1は47歳女性,月経に連動した右鼠径部の膨隆と痛みを主訴に受診.以前より近医婦人科で子宮筋腫の経過観察をしていた.術前のCTで腸管とのつながりがない鼠径部水腫を認め,Nuck管水腫の診断で水腫の摘出,ダイレクトクーゲルパッチによるヘルニア修復術を行った.症例2は48歳女性,右鼠径部の膨隆を主訴に受診.当院婦人科で子宮内膜症に対し,手術を含めた加療をしていた既往あり.本症例も術前のCTで腸管とのつながりがない鼠径部水腫を認めたため,Nuck管水腫の診断で水腫の摘出,メッシュプラグによるヘルニア修復術を行なった.いずれの症例も水腫内容液のCA125が高値であり,切除組織に子宮内膜様の組織を認めたため,異所性子宮内膜症合併の鼠径ヘルニアと診断した.いずれの症例も他部位含め子宮内膜症の再発は認めず経過観察としている.Nuck管水腫に合併した異所性子宮内膜症の報告は稀であり,若干の文献的考察を含め報告する.
索引用語 Nuck管水腫, 子宮内膜症