セッション情報 | ポスターセッション(消化器外科学会)その他-ヘルニア 2 |
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タイトル | 外P-717:大腿ヘルニア内虫垂嵌頓の一例 -本邦報告例の臨床学的検討- |
演者 | 宇田 周司(国立埼玉病院・外科) |
共同演者 | 中太 淳平(国立埼玉病院・外科), 植野 華子(国立埼玉病院・外科), 宮北 寛士(国立埼玉病院・外科), 津和野 伸一(国立埼玉病院・外科), 柳 在勲(国立埼玉病院・外科), 早津 成夫(国立埼玉病院・外科), 吉竹 公子(国立埼玉病院・外科), 石塚 裕人(国立埼玉病院・外科), 原 彰男(国立埼玉病院・外科) |
抄録 | 【緒言】大腿ヘルニアの頻度は鼠径部ヘルニアの4~17.2%とされ,中高年の女性に多く,嵌頓例が多い.ヘルニア内容は大網や小腸がほとんどで虫垂が嵌頓する事は非常に稀である.今回,我々は虫垂嵌頓を伴う大腿ヘルニアの一例を経験したので報告する.【症例】75歳,女性【主訴】右鼠径部膨隆,発赤【現病歴】2012年4月中旬,一週間前より右鼠径部痛が出現し,徐々に腫脹してきたが放置していた.疼痛,腫脹が増悪し,発赤を伴うようになったため,近医を受診し,鼠径ヘルニア嵌頓が疑われ当院紹介受診となった.来院時,鼠径靱帯尾側に発赤を伴う約4cm大の有痛性腫瘤を認めた.腹部単純X線検査でイレウス所見はなく,腹部CT検査で右大腿輪より脱出するヘルニアを認め,ヘルニア嚢内に遊離ガスと液体貯留も認めた.ヘルニア内容は小管腔構造を呈し,盲腸より連続する索状物が迷入していた.以上より大腿ヘルニア内虫垂嵌頓と診断し緊急手術を施行した.全身麻酔下に鼠径法でアプローチし,大腿輪より鼠径靱帯尾側に脱出するヘルニアを確認した.鼠径管後壁を開放し,中枢側より還納を試みるも嵌頓を解除出来ず.鼠径靱帯を一部切開し,嵌頓を解除した後にヘルニア嚢を開放すると灰白色の悪臭伴う膿汁と壊死,穿孔した虫垂を認めた.移動盲腸のため同一術野で虫垂切除,ヘルニア嚢の高位結紮を施行.術野の汚染が高度であったためメッシュ使用は控え,大腿ヘルニアはMcVay法で修復した.術後経過は良好で術後14病日で退院となった.虫垂嵌頓を伴う大腿ヘルニアは自験例を含め20例(会議録を除く)報告されているのみで大変貴重な症例と考えられた.本邦における虫垂嵌頓例を集計し,臨床学的検討を加え報告する. |
索引用語 | 大腿ヘルニア, 虫垂嵌頓 |