セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-ヘルニア 2

タイトル 外P-720:

鼠径ヘルニアに対する腹膜外腔アプローチによる腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(TEPP)後の再発症例の検討

演者 小川 雄大(大分赤十字病院・外科)
共同演者 木下 忠彦(大分赤十字病院・外科), 森田 和豊(大分赤十字病院・外科), 中家 亮一(大分赤十字病院・外科), 實藤 健作(大分赤十字病院・外科), 岩城 堅太郎(大分赤十字病院・外科), 甲斐 成一郎(大分赤十字病院・外科), 福澤 謙吾(大分赤十字病院・外科), 本廣 昭(大分赤十字病院・外科), 若杉 健三(大分赤十字病院・外科)
抄録 【目的】当院では1999年10月から鼠径ヘルニアに対して腹膜外腔アプローチによる腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術(以下TEPP)を導入し,2012年12月までに328例に施行した.これまでに3例(0.9%)の再発を経験している.この3例について再発までの期間,再発部位・形式,再発原因,再手術術式について検討した.【症例】症例1:43歳男性,右鼠径ヘルニアに対してTEPP施行(使用Mesh:Bird 3D Max Mesh).Meshをポートから挿入する際に長軸方向を軸として巻き挿入.プロタックを打つことができない背側が巻き上がった状態となった.再発時の観察によりMeshの背側から腸管が脱出していることがわかった.症例2:64歳男性,両側鼠径ヘルニアに対してTEPP施行(使用Mesh:右Bird Soft Mesh,左Microval Mesh).右側は巨大なヘルニアであり,再発時はMeshの逸脱が認められた.症例3:72歳男性,両側鼠径ヘルニアに対してTEPP施行(使用Mesh:右左ともBird 3D Max Mesh).再発時の腹腔内観察所見では,初回手術時にMeshにより覆われていた恥骨上にヘルニア門を確認.Meshの収縮が再発に関係していると考えられた.【結果】再発までの期間は平均15.6ヶ月.再発部位・形式は外鼠径ヘルニアが2例,内鼠径ヘルニアが1例であった.再手術術式に関して2例は腹腔鏡観察の後にMesh plug法を行い,1例は現在も経過観察中である.【結論】TEPPは従来法に比べて再発までの期間が短く,再発部位・形式はMeshの固定位置や使用Meshにより様々である.手技の定型化および素材によるMeshの収縮率を考慮したMeshの固定が再発を少なくする可能性がある.
索引用語 鼠径ヘルニア, TEPP