セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-ヘルニア 3

タイトル 外P-722:

鼠径法手術で確定診断した鼠径ヘルニア偽還納の1例

演者 新名 一郎(藤元総合病院・外科DELIMITER宮崎大・腫瘍機能制御外科学)
共同演者 北村 英嗣(藤元総合病院・外科DELIMITER宮崎大・腫瘍機能制御外科学), 櫻井 俊孝(藤元総合病院・外科DELIMITER宮崎大・腫瘍機能制御外科学), 千々岩 一男(宮崎大・腫瘍機能制御外科学)
抄録 鼠径ヘルニア偽還納は腸管が陥頓した状態で,ヘルニア嚢と一緒に腹膜前腔に戻る極めてまれな疾患である.今回われわれは鼠径ヘルニア偽還納の1例を経験したので報告する.症例は83歳,男性.慢性腎不全に対し血液透析中.左下腹部痛を認め,近医を受診し鼠径ヘルニア陥頓を認めた.腹部CT検査で小腸イレウスを併発していた.ヘルニアを徒手整復し,腹部症状の改善を認めたが,しばしば陥頓するため手術目的で当院へ紹介となった.食事摂取は良好で,腹部症状もなかったが,腹部CT検査で小腸イレウスは改善がなく,偽還納を疑った.手術は全身麻酔下に鼠径法手術で行った.外鼠径ヘルニア(I-2)でありヘルニア嚢を腹側に牽引すると腹膜前腔よりRichter型の陥頓小腸が確認できた.ヘルニア嚢を開放し,小腸とヘルニア嚢の癒着を剥離した.小腸の血流は良好で小腸切除は不要であり,Mesh Plug法で修復を行った.術後経過は良好で,腹部CT検査で小腸イレウスは速やかに消失した.鼠径ヘルニア陥頓の整復後も小腸イレウスが続く場合は,偽還納を疑い手術を考慮する必要がある.
索引用語 鼠径ヘルニア, 偽還納