セッション情報 ポスターセッション(消化器外科学会)

その他-症例 3

タイトル 外P-728:

直腸に穿破したサルモネラによる骨盤内膿瘍の1例

演者 加藤 公一(江南厚生病院・外科)
共同演者 浅井 泰行(江南厚生病院・外科), 加藤 吉康(江南厚生病院・外科), 栗本 景介(江南厚生病院・外科), 田中 伸孟(江南厚生病院・外科), 末岡 智(江南厚生病院・外科), 石榑 清(江南厚生病院・外科), 飛永 純一(江南厚生病院・外科), 黒田 博文(江南厚生病院・外科)
抄録 症例は44歳女性.42歳時右卵巣嚢腫に対して腹腔鏡下右附属器切除術の既往あり.今回,下腹部痛および会陰部痛を主訴に当院を受診した.下腹部全体に圧痛を認めた.肛門部には異常所見なく,直腸指診で直腸後壁側粘膜下に有痛性腫瘤を触知した.直腸内には白色調の膿性液体貯留を認めた.血液検査で炎症反応の上昇を認め,腹部CT検査では直腸背側・右側に5cm x 4cm大の不整形低吸収域が指摘された.直腸周囲膿瘍と診断し,会陰部からの経皮的膿瘍ドレナージを試みたが不成功だった.術中直腸内には白色調の膿が多量に貯留しており,歯状線より口側の直腸後壁側粘膜に小孔を認め,同部から排膿を認めた.抗菌剤はセフメタゾールを投与したが,膿培養検査でSalmonella(04群)が検出されたため,シプロフロキサシンに変更した.画像上膿瘍腔は経時的に縮小し,術後14日目には炎症反応は陰性化した.自験例はサルモネラによる骨盤内膿瘍が直腸内に自然穿破した稀な症例と考えられたため,文献的考察を加えて報告する.
索引用語 膿瘍, サルモネラ