セッション情報 ポスターセッション(消化器がん検診学会)

胃1

タイトル 検P-4:

胃X線検診と胃内視鏡検診の比較

演者 鯵坂 秀之(石川県予防医学協会)
共同演者 長澤 実(石川県予防医学協会), 松永 哲夫(石川県予防医学協会), 小山 文誉(石川県予防医学協会), 魚谷 知佳(石川県予防医学協会)
抄録 【背景】胃がん検診の標準的方法は胃X線検査であるが,胃内視鏡検査も用いられている.今回,胃X線検診と胃内視鏡検診を比較した.
【対象と方法】2008年4月~2012年3月の胃X線検診のべ138262例(地域35303例,職域100916例,ドック2043例)と胃内視鏡検診のべ32772例(地域1550例,職域10438例,ドック20784例)を対象に,その精度を検討した.
【結果】胃X線検診は要精検率6.5% (8951/138262),がん発見率0.091% (126/138262),早期がん比率70.6% (89/126),胃内視鏡検診は要精検率10.6% (3478/32772),がん発見率0.16% (54/32772) ,早期がん比率92.6% (50/54)と,いずれも胃内視鏡検診の方が有意に高かった.胃X線検診による発見がん126例は,全例胃がん(癌125例,悪性リンパ腫1例)であった.うち17例は明らかに非がん部の所見をもって要精検とされていた.また66例は前年度も受診していたが,この中には進行がんで発見された12例も含まれていた.一方,胃内視鏡検診による発見がん54例は,胃癌が50例,食道癌が4例であった.うち22例(全例胃癌)は前年度も受診していたが,この中に進行がんで発見されたものはなかった.偽陰性の原因は,前臨床期がん(肉眼で検出できる病変が存在しなかったもの)10例,見逃し(何らかの病変が存在するも良性との判断から精検不要としたもの)5例,見落し(病変部が撮影されていなかったもの)3例,病理診断不適切(病変が存在し組織採取されるもがんの病理診断が得られなかったもの)4例であった.
【結語】胃内視鏡検診は胃X線検診に比較して,より早期の胃がんを発見できることおよび食道がんも発見できることから,有用であると考える.
索引用語 胃X線検診, 胃内視鏡検診