セッション情報 ポスターセッション(消化器がん検診学会)

胃2

タイトル 検P-6:

当院人間ドックの発見胃癌におけるペプシノーゲン値の検討

演者 坂野 文香(広島赤十字・原爆病院・健診部)
共同演者 松本 能里(広島赤十字・原爆病院・健診部), 久留島 仁(広島赤十字・原爆病院・健診部), 山本 昌弘(広島赤十字・原爆病院・健診部), 黒木 一峻(広島赤十字・原爆病院・消化器科), 木曽 まり子(広島赤十字・原爆病院・消化器科), 篠原 芙美(広島赤十字・原爆病院・消化器科), 斎 宏(広島赤十字・原爆病院・消化器科), 古川 善也(広島赤十字・原爆病院・消化器科)
抄録 【目的】ペプシノーゲン(以下,PG)法は胃癌ハイリスク群の絞り込みに有用であるが,PG陽性例のみならずPG陰性例からの胃癌発生も少なくない.このたび実際の胃癌症例のPG値について検討した.【方法】2001年~2012年までに当院人間ドックで発見された胃癌のべ197症例において,残胃癌やPPI投与例,除菌例を除き,治療前のPG値が判明している実人数54例(男性48例,女性6例,平均年齢64歳),のべ67病巣の,PG値,萎縮度,分化度を検討した.【成績】(1)胃癌54例のうち,早期胃癌は50例,進行癌は4例であった.また,PG陽性は30例(55.6%),PG陰性は24例(44.4%)であった.萎縮度はO1,O2が多く,36例を占めた.PG陽性では,29例/30例(96.7%)にopen typeの萎縮を認め,PG陰性では13例/24例(58.3%)にopen typeの萎縮を認めた.(2)病理結果が判明しているのは52例で,分化型が38例,未分化型が14例であった.分化度別にPG陽性率を検討すると,分化型38例では,PG陽性は24例(63.2%),PG陰性は14例(36.8%)であった.これに対し,未分化型14例では,PG陽性は6例(42.9%),PG陰性は8例(57.1%)であった. (3)PG陰性の胃癌24例のPG値を検討すると,多くの例がPGΙ低値(40以下)あるいはΙ/ΙΙ比低値(4以下)に存在した.【結論】今回検討した胃癌症例において,44.4%はPG陰性からの発生であった.分化度にわけると未分化型ではPG陰性例がおよそ6割を占めた.PG陽性者が胃癌のハイリスクであるとともに,PG陰性者についても,PGΙ低値例あるいはΙ/ΙΙ比が4以下に低下している例では,胃癌発生の可能性に注意を要すると考えられた.
索引用語 ペプシノーゲン, 胃癌