セッション情報 | ポスターセッション(消化器がん検診学会)大腸1 |
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タイトル | 検P-16:当院における免疫学的便潜血検査(IFOBT)陽性症例の検討 |
演者 | 神野 正隆(板橋中央総合病院・消化器科) |
共同演者 | 藤野 雅之(蓮根ロイヤルクリニック) |
抄録 | 【目的】わが国における大腸癌は罹患者数,死亡者数ともに多い.今回我々は,IFOBT陽性症例の年齢による比較検討を行い,IFOBT陽性の高齢者に対する下部消化管内視鏡検査(TCS)の有用性について検討した. 【方法】2012年1月~12月の1年間にIFOBT陽性を指摘され,当院でTCSを行った593例を対象に65歳で2群に分け,ポリープの(1)個数,(2)大きさ,(3)部位(脾彎曲部より口側にも病変を認める右側結腸群と脾彎曲部より肛門側にのみ病変を認める左側結腸群),(4)大腸癌(腺腫内癌を含む)発見率,(5)大腸癌の発生部位,(7)早期癌:進行癌の割合,(8)男女の比較等行った.また有意差がなかった検討に関しては,60歳で群分けし直し,再度検討を行った.統計学的検討は,χ2検定およびMann-WhitneyのU検定にて行った. 【成績】593例の平均年齢は61.6±14.2歳(26~92歳),男/女:340/253人.357人にポリープを認め,平均年齢は64.3±12.3歳(31歳~92歳),男/女:232/125人だった.結果は,(1)高齢者は多発例が多かった(p=0.014).(2)大きさは65歳での比較では有意差を認めなかった(p=0.117)が,60歳での比較では60歳未満7.3±6.9mm大,60歳以上9.8±9.7mm大と有意差を認めた(p=0.016).(3)高齢者は右側結腸群が多かった(p<0.0001).(4)大腸癌発見率は65歳未満では26/305人(8.52%),65歳以上では38/288人(13.2%)で有意差を認めなかった(p=0.089)が,60歳未満では15/232人(6.47%),60歳以上では49/361人(13.6%)で有意差を認めた(p=0.009).(5)高齢者は右側結腸群が多かった(p=0.048).(6) 早期癌:進行癌の割合は65歳未満では18:8人,65歳以上では19:19人で有意差を認めず(p=0.20),60歳での比較でも有意差は認めなかった(p=0.23).(7)性別では個数に有意差を認め,男性は多発例が多かった(p=0.017). 【結論】IFOBT陽性患者で65歳以上の高齢者は病変が複数あり,脾彎曲部より口側にも病変が多いことを念頭に置き,特に60歳以上では大腸癌発見率が有意に高いことに留意し,TCSを施行すべきと考えられた. |
索引用語 | IFOBT, 大腸癌 |