セッション情報 ポスターセッション(消化器がん検診学会)

大腸2

タイトル 検P-20:

CTコロノグラフィーの初期経験

演者 曽根 康博(大垣市民病院・放射線科)
共同演者 熊田 卓(大垣市民病院・消化器内科), 久永 康宏(大垣市民病院・消化器内科), 金森 明(大垣市民病院・消化器内科), 恒川 明和(大垣市民病院・診療検査科), 伊藤 益弘(大垣市民病院・診療検査科), 竹島 賢治(大垣市民病院・診療検査科), 川地 俊明(大垣市民病院・診療検査科)
抄録 【目的】 CTコロノグラフィー(CTC)は,多列CTと解析ワークステーション(WS)の進歩,病変所見の蓄積により方法論がほぼ確立した.さらに保険適用が取得され,CTC導入施設が急増している. 当院でのCTCの初期経験につき報告する.【方法】CTC検査法と読影法の理解のために,先行実施施設の見学と,ハンズオンセミナーへの参加を重ねた.ついで,健常希望者16例にCTCを行った. CTはSOMATOM Definition AS+(128スライス),WSはZiostation2,炭酸ガス送気装置はプロトCO2Lを使用した. 性別:男14例 女2例,年齢:24~60(平均39)歳,BMI:19.4~28.7(平均23.5) .前処置は専用食を使用し,13例に高張法(A法:マグコロールP+マグミット10例, B法:マグコロールP+マグミット+ラキソベロン3例),3例にタギングを加えた等張法 (C法:ニフレック+ガストログラフィン)を用いた.検査は午前中に行い, 全例でブスコパン1Aを筋注した.撮影は低線量条件で腹臥位,背臥位の順に行い,4例で右側臥位を追加した.送気量,検査時間, 副反応, 受容性(5段階評価 1:楽~3:ややつらい~5:非常につらい) ,所見について検討した.【成績】送気量2200~4000(平均3075)ml,平均検査時間10分22秒,1例に迷走神経反射あり,受容性2~5(平均2.9)であった.所見として8例に11個のポリープ(3mm以下:5個 4~5mm:3個 6mm以上:3個)を疑った.うち1例に大腸内視鏡を行い,S状結腸の指摘部位に6mmのIIa病変を認めEMRで切除,軽度異型腺腫であった.また,憩室を3例,軽度の腸管外所見を5例に認めた.前処置別の印象は,A法は残液は中等量で流動性があり,B法は残液は少量で残便の粘度が高く壁に付着し,C法は残液量の個人差が大きかった.【結論】今後は,送気法の見直しと検査時間の短縮などで受容性の改善を図り,臨床使用を大腸癌術前検査(注腸を省略)から一般診療でのスクリーニング,ドック検診へと段階を経て進める予定である.
索引用語 CTコロノグラフィー, 大腸腫瘍