セッション情報 |
ポスターセッション(消化吸収学会)
消化吸収-1
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タイトル |
吸P-2:マウスにおけるアルコールの胃排出速度の性差の存在と,CCK-1Rの関与の検討
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演者 |
小堀 絢世(東京家政大・栄養学科) |
共同演者 |
増山 綾乃(東京家政大・栄養学科), 定方 麻衣(東京家政大・栄養学科), 堀越 美祐紀(東京家政大・栄養学科), 関目 綾子(東京家政大大学院), 船越 顕博(福岡山王病院), 宮坂 京子(東京家政大大学院) |
抄録 |
【目的】既に本学会で,C13呼気テストにより,男性では,アルコールの胃から小腸への排出速度が非アルコール飲料(水,コンジェナー)より遅いこと,女性ではその効果がはっきりしていないことを報告した.今回は,雄と雌のマウスを用いて,アルコールの胃排出速度を測定し,雄雌差があるかどうかを検討した.また,アルコールはコレシストキニン(CCK)を分泌させ,CCKはCCK‐1受容体(CCK-1R)を介して,胃排出速度を遅延させる.そこでCCK‐1R欠損マウスと,野生型あるいはヘテロタイプと比較し,アルコールの作用におけるCCK-1Rの関与を検討した.【方法】10-12ヶ月齢のマウスを一夜絶食し,翌朝9-11時の間に実験を行った.J Gastroenterol 39: 319-323, 2004に準じ,1.5%メチルセルロース液にフェノールレッド(1mg/2ml)を溶解し,最終エタノール濃度を20%になるように調整した.35℃に暖めた試料を0.15ml/マウスで経胃投与し,投与直後(0分),10分,30分後にマウスを断頭屠殺し,胃を摘出した.胃は0.1N NaOH中で,ホモジナイズし,除タンパク等の処理の後,560nmで吸光度を測定し,排出速度を算出した.【結果】性別についての結果は,野生型+ヘテロ型マウスおよびCCK-1R欠損マウスともに,雄マウスの方が雌マウスより有意に胃排出速度が速かった.また,雄雌ともに,野生型+ヘテロ型よりも,CCK-1R欠損マウスの方が,胃排出速度が速い傾向がみられた.【考察】ヒトの結果と異なり,雄マウスの方が雌マウスよりもエタノールの胃排出速度が速かった.雄雌とも,CCK-1R欠損マウスの方が,野生型+ヘテロ型よりも,胃排出速度が速い傾向がみられたことから,エタノールの胃排出速度調節には,CCK-1Rが関与していると考えられた. |
索引用語 |
アルコール, CCK-1R |