セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-1

タイトル 吸P-4:

幽門側胃切除術後再建術式による脂肪消化吸収機能および胆嚢収縮機能

演者 森藤 雅彦(さんむ医療センター)
共同演者 中村 浩之(広島大大学院・病態制御医科外科学), 中川 直哉(広島大大学院・病態制御医科外科学), 坂本 昭雄(さんむ医療センター)
抄録 【目的】胃癌幽門側胃切除・胆嚢温存術後の消化管再建法と術後脂肪消化吸収機能,栄養状態との関連を検討した. 【対象と方法】健常者17例,幽門側胃切除術後患者35例(Billroth I法再建(BI)17例,Roux-en Y法再建(RY)15例)あえて迷走神経肝枝の温存は施行していない症例を対象とした.残存胆嚢機能は脂肪20gを負荷して15分ごとに胆嚢の長径と短径を求め体積収縮率の変化で測定した.脂肪消化吸収機能は同時に施行した13C標識混合中性脂肪呼気試験の7時間13C累積回収率(%)で評価した.患者因子,腫瘍関連因子,周術期因子と術後消化吸収機能との関連性,術後栄養状態を術前後の体重比(%)で検討した. 【結果】胆嚢収縮率は健常者74.6±12%に対し,BI群43.5±15%,RY群50.3±16%で胃切除患者の胆嚢収縮能は低下していたがRY群がBI群に比較してやや保たれている傾向であった.脂肪消化吸収機能では健常者,BI群の13C回収率には有意差を認めなかった(13.9±7.2% vs 11.1±3.7%).RY群の13C回収率(8.3±3.3%)は健常者,BI群より有意に低値(P<0.05)であった.術前後の体重比は2群間に有意差はみられなかった.その他の諸因子と術後脂肪消化吸収機能との関連では,再建法のみ有意差があった.(P<0.05). 【結論】食餌が十二指腸を通過しないRY群では胆嚢収縮機能はややBI群よりやや良い傾向であったものの脂肪消化吸収機能の低下を認めた.術後遠隔期の栄養状態には大きな差を認めなかったが実際の食事量も考慮する必要があると考える.
索引用語 呼気試験, 胃切除後