セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-2

タイトル 吸P-8:

オキナワモズク由来活性化フコイダンのストレス症状軽減作用

演者 早川 弘子((株)ヤクルト本社・ヤクルト中央研究所)
共同演者 酒井 正士((株)ヤクルト本社・ヤクルト中央研究所), 河合 光久((株)ヤクルト本社・ヤクルト中央研究所), 加藤 豪人((株)ヤクルト本社・ヤクルト中央研究所), 宮崎 幸司((株)ヤクルト本社・ヤクルト中央研究所)
抄録 【目的】オキナワモズク由来活性化フコイダン(以下,活性化フコイダン)には,胃不定愁訴等の上部消化管での機能性疾患に対する改善効果が認められている.今回,ストレス性の腹部・便通異常等の下部消化管の機能性疾患に対する作用を動物実験とヒト試験で評価したので報告する.【方法・結果】1.動物実験:活性化フコイダンを含む飼料で1週間飼育したSD系雄性ラットに2時間の拘束ストレスを負荷し,血中コルチコステロン濃度と排便数を測定した.その結果,0.01%混餌投与によりストレス負荷による排便亢進が有意に抑制され,血中コルチコステロン濃度の上昇も抑制傾向(p=0.059)を示した.2.ヒト試験:慢性的に腹部症状と下痢症状を有し,ストレスで腹痛や下痢を起こしやすい男性を対象に,サプリズムフコイダン®(活性化フコイダン80 mg含有),またはプラセボを各々45名ずつに8週間摂取させ,腹部症状,便性状に関するアンケートを行うとともに,唾液ストレスマーカーを測定した.その結果,摂取前後の唾液コルチゾール変化量が活性化フコイダン群ではプラセボ群と比べて低い傾向(p=0.052)を示した.腹痛スコア,ブリストール便形状スケールスコア,下痢便(泥状便+水様便)の割合は,両群ともに摂取前に比べて改善されたが,活性化フコイダン群の方がプラセボ群よりも早期から改善が認められた.さらに,摂取開始前の腹部症状と便性状のスコアがどちらも中央値より低く,症状が軽い被験者を除いて解析したところ,摂取終了時に改善を実感した被験者の比率は,プラセボ群では53.1%に対して活性化フコイダン群では75.8%であり,改善傾向(p=0.056)が認められた.【結論】既に知られている上部消化管での機能性疾患に対する効果に加え,活性化フコイダンはストレス性の腹部・便通異常等の下部消化管における機能性疾患にも有効である可能性が示された.
索引用語 ストレス, フコイダン