セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-3

タイトル 吸P-12:

呼気・PFD同時試験による膵外分泌機能不全診断の臨床的検討-PFD投与量による影響-

演者 松本 敦史(弘前大大学院・内分泌代謝内科学)
共同演者 丹藤 雄介(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 柳町 悟司(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 阿部 洸大(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 長谷川 範幸(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 柳町 幸(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 田中 光(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 松橋 有紀(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 佐藤 江里(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 近澤 真司(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 今 昭人(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 葛西 伸彦(八戸市立市民病院・内分泌糖尿病科), 工藤 貴徳(八戸市立市民病院・内分泌糖尿病科), 三上 恵理(弘前大附属病院・栄養管理部), 佐藤 史枝(弘前中央病院), 石岡 拓得(弘前愛成会病院・栄養科), 大門 眞(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 中村 光男(弘前大・保健学科病因・病態検査学)
抄録 【目的】本邦では,食事による脂肪摂取量が40g/day以上で,糞便中脂肪排泄量5g/day以上の膵性脂肪便を呈する場合を膵外分泌機能不全と定義している.Benzoyl-L-Tyrosyl-[1-13C]Alanine (以下,13C-BTA) 呼気試験では,Δ13CO2ピーク値(以下,Cmax)をもとに膵外分泌機能不全を診断できるが,肝硬変非代償期や胃麻痺の場合にはCmaxが低下する事がある.一方,PFD試験では,6時間蓄尿を行い,尿中PABA排泄率をもとに膵外分泌機能を評価するが,泌尿器系の影響を受けやすい.今回我々は,両試験を同時に行うことが可能かどうかを検討するため,PFD検査薬の同時投与量の違いによって,Cmax,尿中PABA排泄率に差があるかを検討した.【方法】健常者4例(男性2例, 女性2例,41.0±18.9歳)を対象として,[1]13C-BTA300mgまたはPFD500mg単独投与,13C-BTA300mgとともにPFD検査薬を[2]250mg[3]500mg[4]1000mg同時に服用した場合のCmaxおよび尿中PABA排泄率を比較した.【結果】13C-BTA呼気試験のCmax(mean±SD)[単位:‰]はそれぞれ[1]47.5±6.4,[2]41.2±4.3,[3]37.6±6.0,[4]29.1±4.6であり,PFD検査薬の同時投与量が多いほどCmaxは低値を示した.一方,尿中PABA排泄率も(mean±SD)[単位:%][1]76.7±8.0,[2]65.0±14.6,[3]68.3±1.5,[4]60.5±11.8と,PFD検査薬の同時投与量が多いほど低下する傾向にあった.【結論】13C-BTA300mgC-BTA呼気試験,PFD試験ともに,PFD検査薬の同時投与量が多いほど低値を示した.このため,同時試験を行う場合には,投与量の設定,新たな基準を設定する必要がある.
索引用語 呼気・PFD同時試験, 膵外分泌機能不全診断