セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-3

タイトル 吸P-13:

カルボキシペプチターゼによるbenzoyl-L-tyrosyl-[1-13C]alanine加水分解反応のin vitro観察

演者 柳町 悟司(東北女子短大)
共同演者 松本 敦史(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 佐藤 史枝(弘前中央病院), 三上 恵理(弘前大附属病院・栄養管理部), 長谷川 範幸(国保板柳中央病院), 柳町 幸(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 田中 光(弘前市立病院・内科), 佐藤 江里(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 丹藤 雄介(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 中村 光男(弘前大・保健学科)
抄録 【目的】BTA呼気試験では,benzoyl-L-tyrosyl-[1-13C]alanine(以下BTAとする)を経口摂取後,呼気中の13CO2濃度を測定することで,膵臓から分泌されたカルボキシペプチターゼの機能を検査する.一方,PFD試験では,N-benzoyl-L-tyrosyl-p-aminobenzoic acid(以下BT-PABAとする)を経口摂取後,尿中のp-aminobenzoic acid(以下PABAとする)を定量することで,膵臓から分泌されたキモトリプシンの機能を検査する.BTA呼気試験及びPFD試験は,いずれも膵外分泌機能の検査法だが,BTA呼気試験は肝機能障害を有する場合,また,PFD試験は腎機能障害を有する場合に,偽陽性となる.この欠点を補完するため,BTA呼気試験とPFD試験と同時に行ったところ,呼気中13CO2濃度(BTA呼気試験の結果)は,BTA呼気試験を単独で行った場合の呼気中13CO2濃度を下回り,尿中PABA量(PFD試験の結果)も,PFD試験を単独で行った場合の尿中PABA量を下回った.今回,我々は,BTA呼気試験とPFD試験の同時測定で観察された,呼気中13CO2濃度減少の原因を解明すべく,カルボキシペプチターゼによるBTAの加水分解反応を,BTAのみが存在する場合とBTAとBT-PABAが共存する場合で比較した.【方法】カルボキシペプチターゼによるBTAの加水分解反応で生成するアラニンは,ニンヒドリンで呈色する.BTAの加水分解反応の進行度はニンヒドリン呈色反応を利用した.【成績】BTAの加水分解反応をin vitro観察し,Lineweaver-Burkプロットで反応阻害の可能性を検討した.【結論】カルボキシペプチターゼはペプチド結合加水分解酵素でBTAを基質とするが,BT-PABAもペプチド結合を有する.従って,BT-PABAは,カルボキシペプチターゼによるBTAの加水分解反応において,反応阻害剤として働いていると予想される.
索引用語 BTA, PFD