セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-4

タイトル 吸P-14:

経腸栄養剤の必須アミノ酸の比較検討

演者 三上 恵理(弘前大附属病院・栄養管理部)
共同演者 石岡 拓得(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 丹藤 雄介(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 佐藤 史枝(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 柳町 悟司(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 阿部 滉大(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 松本 敦史(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 田中 光(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 佐藤 江里(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 長谷川 範幸(国保板柳中央病院・内科), 柳町 幸(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 中村 光男(弘前大・保健学科病因・病態検査学)
抄録 【はじめに】経腸栄養剤で蛋白質源が主に大豆(大豆と乳の混合),主に乳(乳と大豆の混合),及び乳のみの製剤の必須アミノ酸について,アミノ酸分析を行い必須アミノ酸の比較検討をおこなった.【対象と方法】当院で使用している経腸栄養剤で,蛋白質源が主に大豆の製剤2種,主に乳の製剤2種,乳のみの製剤2種と卵白をそれぞれ凍結乾燥させ分析試料とした.アミノ酸分析は,凍結乾燥した試料10mgを酸分解し前処理した後,HPLCアミノ酸分析機で分析した.検討した必須アミノ酸は,Thr,Val,Met,Ile,Leu,Phe,Lysの7種とした.さらに卵白の必須アミノ酸を基準とし,分析した経腸栄養剤の必須アミノ酸の充足率を算出し検討に用いた.【結果】卵白の必須アミノ酸に対する充足率は,蛋白質源が主に大豆の製剤(n=2)でThr68.1%,Val74.2%,Met54.5%,Ile81.4%,Leu82.9%,Phe101%,Lys68.7%であり,主に乳の製剤(n=2)でThr78.5%,Val93.4%,Met78.41%,Ile84.7%,Leu90.2%,Phe119.2%,Lys81.4%,乳のみの製剤(n=2)でThr72%,Val94%,Met82.8%,Ile85.3%,Leu93%,Phe101%,Lys82.4であった.卵白に対し80%以下の充足率の必須アミノ酸は,主に大豆の製剤でThr,Val,Met,Lysであり,主に乳の製剤ではThr,Met,乳のみの製剤でThrであった.【考察】卵白の必須アミノ酸に対する充足率が80%以下のアミノ酸は,蛋白質源が主に大豆の製剤では,Thr,Val,Met,Lysであり,主に乳の製剤ではThr,Metであった.大豆と乳の混合の製剤は乳のみの製剤に比し,充足率が低い必須アミノ酸が存在した.このことから,大豆を蛋白質源に用いた経腸栄養剤では,必須アミノ酸が不足する可能性があるため,投与量に留意する必要がある.
索引用語 必須アミノ酸, 経腸栄養剤