セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-4

タイトル 吸P-15:

食品中のトランス脂肪酸と病院食のトランス脂肪酸の定量(2)

演者 佐藤 史枝(弘前中央病院)
共同演者 三上 恵理(弘前大附属病院・栄養管理部), 石岡 拓得(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 丹藤 雄介(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 柳町 悟司(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 阿部 滉大(弘前大・保健学科病因・病態検査学), 松本 敦史(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 田中 光(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 佐藤 江里(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 長谷川 範幸(国保板柳中央病院・内科), 柳町 幸(弘前大大学院・内分泌代謝内科学), 中村 光男(弘前大・保健学科病因・病態検査学)
抄録 【目的】われわれは日常摂取する食品と病院食(脂質制限食,脂質40g)のトランス脂肪酸の定量を行った.その結果食品に含まれるトランス脂肪酸の量は,同じ食品でも製品によって含有量が大幅に異なることが確認できた.そのためトランス脂肪酸は文献値で算出するより,実測するほうが日常摂取量をより正確に把握できると考えられた.本研究では常用量で脂肪量が多い食品や料理と病院食(常食,脂質50g)のトランス脂肪酸の定量を行った.【方法】常用量で脂肪量が多い食品や料理である,洋菓子やスナック菓子,ファーストフード,洋食,中華料理及び,常食(3日分,9食)を分析試料とした.脂肪酸の定量は中性脂肪を加水分解後,脂肪酸メチルエステル誘導体とし,GLC法を用いて定量を行った.【結果】洋菓子やスナック菓子,ファーストフード,洋食,中華料理の常用量あたりのトランス脂肪酸の含有量は製品や料理ごとに含有量が異なり文献値から外れるものも存在した.常食の1日あたりのトランス脂肪酸の含有量はWHOのトランス脂肪酸摂取基準値であるエネルギー比率1%未満を下回っていたが,朝昼夕の1食ずつでは変動があった. 【考察】脂肪量の多い食品や料理の常用量あたりのトランス脂肪酸の含有量は,製品や料理ごとに含有量が異なることが確認できた.また,常食では1日のトランス脂肪酸の含有量は朝昼夕で変動があった.1回の常用量が多い食品は,1日に摂取する食品や料理の組み合わせ次第でトランス脂肪酸の摂取量が多くなることが考えられる.また,文献値によるトランス脂肪酸の含有量は一般に100gあたりで示されているがトランス脂肪酸の摂取量については1回に摂取する量,すなわち常用量を考慮して論じるべきである.
索引用語 トランス脂肪酸, 常用量