セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-4

タイトル 吸P-18:

当院におけるNST活動の現状と課題

演者 本藤 有智(厚生連高岡病院・消化器内科)
共同演者 原 拓央(厚生連高岡病院・外科), 寺田 光宏(厚生連高岡病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院におけるNST活動の現状と課題を検討する.【概要】当院は病床数567床,三次救急を担う急性期総合病院で,2002年10月に富山県で初めてNSTが発足,2004年に県第一号としてNST稼働施設認定を受けた.NSTの構成は,医師,歯科医師,看護師,管理栄養士,薬剤師,臨床検査技師,理学療法士,言語聴覚士,歯科衛生士,事務員からなり,必ず各職種より1名以上が参加している.各病棟にはリンクナースがおり,入院中の栄養状態不良患者の抽出および啓蒙活動に当たっている.活動内容の中心は,毎週の回診,毎月の全体会議,職員対象の勉強会,各種マニュアルの作成である.さらに当院に特徴的な取り組みとして,対象患者の取りこぼしを防ぐため,1. 全患者に対し,入院時のみならず入院2週間後にSGA評価を行い,C・Dとなった患者の抽出,2. 理学療法もしくは嚥下リハビリ中で,Alb<3.0g/dlまたはBMI<18.5に該当する症例,DPC対象期間外から2週間を過ぎた患者のリストアップおよびNST介入,3. 緊急NST患者への対応目的に,院内LANで栄養療法についての質疑応答「24時間NST」の実施を行なっている.栄養療法の実施に当たっては,電子カルテのExcel上にアセスメントシートを作成し,栄養必要量の算定,アクセスルートの決定後に栄養投与を行い,退院まで回診で評価している.また,近年の胃ろう造設における議論の高まりを受け,過去8年間,当院で胃ろうを造設された患者に対し,実施の是非や思いを問うアンケート調査を実施したので,合わせて報告する.【考察】複数回のSGA評価,多角的な患者抽出により,従来よりも漏れのないNST介入が可能となった.栄養アセスメントシートは,栄養必要量の半自動的な算出およびメンバー間での共有を可能にした.院内LANのNST活動により回診の日を待たずとも問題解決の道筋を示せるようになった.しかしながら,医師の関心がまだ低いことや,リンクナースから上がる対象患者が少ないこと,勉強会への職員の参加が限られていることが課題であり,院内啓蒙活動の充実が望まれる.
索引用語 NST, SGA