セッション情報 ポスターセッション(消化吸収学会)

消化吸収-5

タイトル 吸P-21:

コレシストキニン1受容体ノックアウトマウスにおけるアルコール摂取行動の性差

演者 関目 綾子(東京家政大大学院)
共同演者 堀越 美祐紀(東京家政大・栄養学科), 船越 顕博(福岡山王病院), 宮坂 京子(東京家政大大学院)
抄録 【目的】一般的にマウスは飲料のアルコール濃度が上昇すると,飲水量が減少し,それに伴い摂食量,体重も減少する.しかし雄のコレシストキニン1受容体ノックアウト[以下CCK-1R(-/-)]マウスではアルコール濃度が上昇しても顕著なアルコール摂取量の低下は見られなかった(Alco-Alco 2005).これには側座核のドーパミン受容体の増加と関連することが想定されている.今回我々は雌のCCK-1R(-/-)マウスで同様の実験を行い,アルコール摂取行動における性差の存在を検討した.【方法】8-10ヶ月齢の雌CCK-1R(-/-)マウスおよび野生型マウスを用いた.飲料水にエタノールを3,6,10,20%の濃度で添加し,各々7日間の飲水量を測定した.同時に摂食量,体重も測定した.また,味覚を確認するため甘味(0.033%サッカリン)および苦味(0.012%塩酸キニーネ)を添加した水を投与して同様に測定した.【成績】アルコール濃度の増加に伴い,飲水量が低下し[野生型 1.38-1.09ml/day/10g B.W. ,CCK-1R(-/-)1.46-0.88ml/day/10g B.W. ],同時に摂食量と体重も低下した.遺伝子型による差はみられな無かった.甘味添加時に飲水量は増加し(2.00 ml/day/10g B.W.),苦味添加時に飲水量は減少した(1.19 ml/day/10g B.W.).【結論】CCK-1R(-/-)マウスにおいて,雄では高濃度のアルコールも忌避する事なく摂取するが,雌ではアルコール濃度増加に伴い飲水量が低下しており,アルコール摂取行動に性差がみられた.甘味・苦味添加実験により雌のCCK-1R(-/-)マウスの味覚は野生型と差がないことが確認された.
索引用語 アルコール, 性差