セッション情報 ブレックファーストセミナー(消化器内視鏡学会)

進行胆道癌に対するInterventional Oncology

タイトル ブレ18-1:

進行胆道癌に対するInterventional Oncology

演者 佐々木 隆(東京大・消化器内科)
共同演者
抄録 わが国では,胆道癌は癌死亡原因の第6位に位置付けられ,年間18,000人が亡くなっている.外科的切除が唯一根治を期待できる治療と考えられ,わが国では高い切除率が報告されている.しかしながら切除後も再発をきたすことも多く,術後にも抗癌剤治療が必要になることも多い.また高齢者で併存疾患を有する患者さんも多く,腫瘍因子ではなく,患者因子によって非切除となることもある.さらに現在も進行癌で見つかってしまい,切除不能と判断されて抗癌剤治療を行うことも少なくない.そのため,抗癌剤治療をはじめとした内科治療は欠かすことのできない治療である. 進行胆道癌に対する抗癌剤治療については,Gemcitabine (GEM) + Cisplatin (CDDP)併用療法が標準的な1次治療と考えられている.一方わが国ではGEM+S-1併用療法に対する期待も高い.今後GEM+CDDP併用療法とGEM+S-1併用療法を比較する第3相試験がわが国で計画されている.一方で,さらなる治療効果を目指した臨床試験も多数行われている.なかでも,GEM+CDDP+S-1併用療法やGEM+S-1+Leucovorin併用療法などが興味深いところである.一方で2次治療については幅広く日常臨床で行われているが,まだエビデンスが乏しい領域である.今後標準的な2次治療の確立が急務と考えられている.さらに分子標的薬を用いた報告も徐々に増えてきている.一方で進行胆道癌に対する化学療法については,各胆道部位がすべてまとめて検討されているなど,問題が山積みの状況である.今回,これらの問題点についても検証する. 一方でこれらの抗腫瘍療法を行ううえで,適切な胆道ドレナージは欠かすことのできない重要な要素である.非切除例だけでなく術後例においても,積極的な内視鏡治療が行われるようになってきている.ドレナージについても日々進歩してきてはいるが,まだまだ改善すべき点が残っている.当科での試みも含めてドレナージの現状についても言及したい.
索引用語