セッション情報 ランチョンセミナー(肝臓学会)

蓄積される3剤療法のエビデンス,その課題と今後の展開 第12回 MSD Award 表彰式

タイトル ラン21-2:

3剤併用療法および発癌リスクから見た個別化治療 - Y-PERSから -

演者 坂本 穣(山梨大・1内科DELIMITER山梨大・肝疾患センター)
共同演者
抄録 C型慢性肝炎に対する抗ウイルス療法は急速に進歩している.とくにDAAs(Direct antiviral agents)であるtelaprevirを含めた3剤併用療法は,画期的な治療法として著しく高い治療効果を示している.しかしその一方,皮疹・腎障害・貧血などの重篤な副作用も多く,治療対象が高齢化している現在では,適応症例の選択には慎重にならざるを得ない側面も存在する.また,インターフェロンを用いない,経口剤のみの治療の実用化も目前に迫っている.しかし,C型肝炎治療の究極の目標である肝発癌抑止に与えるインパクトはいまだ明らかではないし,発癌まで猶予のない症例も存在する.そこで,現時点での肝発癌リスクを考慮し,宿主・ウイルスゲノム情報から治療効果予測と肝発癌抑止効果を検討し,近未来に実現する治療法をも見据えて治療方針を決定することが肝臓専門医に課された使命であり,個別化医療への道と考えられる.
索引用語