セッション情報 ワークショップ10(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器がん検診学会合同)

患者にやさしい大腸内視鏡検査の工夫

タイトル 内W10-15:

当院の患者にやさしい大腸内視鏡検査の工夫-「浸水法」と先端柔軟大腸鏡の運用-

演者 水上 健(国立久里浜医療センター・内科)
共同演者 今井 仁(東海大・消化器内科), 緒方 晴彦(慶應義塾大・内視鏡センター)
抄録 我々は少量注水後、直腸S状結腸の完全脱気を行うことでS状結腸を自ずと短縮させ腸管のらせん構造に合わせた捻り操作を行う-浸水法-(Dig Endosc 2007)を発表した。本法はS状結腸を伸展しないため無麻酔で苦痛の少ない検査可能であり、海外から従来法とのrandomized studyで鎮静剤の減量が可能であったと報告があり (C W. Leung et al.Endoscopy2010)、昨年ハイデルベルグ大学で指導しドイツでも導入された。無麻酔では検査中の心肺機能に与える影響は少なく、腸管や腸間膜への大腸鏡の負荷は患者自身が術者にフィードバック可能なため腸管穿孔や腸間膜破断などのリスクが少ない。検査後の回復が早いため交通手段や通院付き添いなどの患者負担が減り、検査後すみやかな就業も可能である。浸水法の運用で9割以上は腹部緊満感程度で検査可能であるが、高度の便秘や過敏性腸症候群など検査困難例が存在する。排便障害のない症例(n=50)に比し排便障害症例(n=238)はS状結腸回転異常や下行結腸間膜などの教科書的腸管形態と異なる腸管形態異常が有意に高頻度で存在することが注腸やCTコロノグラフィーを用いた検討で明らかになった(正常24% vs 排便障害91.9% p<0.001)。これらの症例では後腹膜への腸管固定状況によりヘアピン状の腸管屈曲が形成され、通過障害と苦痛の原因になる。ヘアピン状の腸管屈曲通過では可撓管のアングルをフルにかけて屈曲を通過し、さらにそのまま押し込んで大腸鏡を深部に送り込む。大腸鏡可撓管の回転(直)径はメーカー・機種にかかわらずほぼ6cmであるが従来の大腸鏡では可撓管手前の回転径が可撓管の倍以上の12cmと著しく大きく腸管屈曲を押し広げるため苦痛の原因となった。近年販売された先端柔軟構造大腸鏡のフジフィルムWM3,ZPやオリンパスPCF-PQは可撓管手前の回転径が8-9cmと小さく屈曲を押し広げず苦痛なく挿入することが可能である。当院での運用の実際を報告する。
索引用語 浸水法, 先端柔軟構造大腸鏡