セッション情報 | ランチョンセミナー(消化器外科学会)膵癌の抗がん剤化学療法―新時代の幕開け― |
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タイトル | ラン69-1:膵癌の抗がん剤化学療法~新時代の幕開け~ |
演者 | 井岡 達也(大阪府立成人病センター・検診部) |
共同演者 | |
抄録 | 切除不能または再発膵癌に対する標準療法は,長い間,ゲムシタビン単独療法(Gem)であったが,ゲムシタビン+Erlotinib併用療法(GE)がゲムシタビン単独療法に対して統計学的に有意な生存利得を示したことを皮切りに(Moore MJ, et al. JCO, 2007),S-1単独療法がGemに対して統計学的に非劣性を証明し(Ueno H, et al. JCO published online on April 1, 2013),加えて,転移性膵癌のみが対象ではあるが,FOLFIRINOX療法がGemに対してハザード比0.57と統計学的に有意な生存利得を示し(Conroy T, et al. NEJM, 2011),更に,nab-パクリタキセルとGem併用療法(GA)が,Gemに対して,ハザード比0.72と,これまた統計学的に有意な生存利得を示した(D.D. Von Hoff et al. ASCO GI, 2013) .これらの結果から,欧米においては,進行膵癌の治療選択肢が急激に増えてきている. 進行膵癌の標準療法の選択肢が更に増えたことは歓迎されるべきである.しかし,一次治療としてFOLFIRINOX療法とGA療法のどちらを優先するかについては,これからの議論が必要であろう.UGT1A1を測定することによって,FOLFIRINOXに適さない集団はGA療法を行う方が良いだろうが,非GemレジメンであるFOLFIRINOX療法と,Gem併用療法であるGA療法の選択は,取りも直さず,二次治療の選択肢に直結する. 本発表では,各レジメンの効果と副作用について,私見を交えて詳細に報告する. |
索引用語 |