セッション情報 ワークショップ11(消化器病学会・肝臓学会・消化器がん検診学会合同)

低侵襲な肝疾患診断法の進歩

タイトル 肝W11-1:

VTTQと血液生化学検査を組み合わせた肝線維化評価法

演者 高木 慎太郎(広島大病院・消化器・代謝内科)
共同演者 川上 由育(広島大病院・消化器・代謝内科), 茶山 一彰(広島大病院・消化器・代謝内科)
抄録 【背景】肝硬度測定装置の有用性は多く報告されているが、肝硬度の測定部位は1点であるため、肝の部分的評価であったり、また、サンプリングエラーなどの問題も生じる。【目的】Virtual touch tissue quantification(VTTQ)と血液生化学検査の組合わせることで、臨床においてより有用な非侵襲的肝線維化評価法を確立する。【対象と方法】2009年1月から2012年2月までにVTTQと肝生検を同時に施行したC型慢性肝炎178例。年齢61.2歳±11.9、男/女77/101例、AST54.8±38IU/L、ALT64.3±56.8IU/L、血小板16.4±6.8万 /μL 、INR 1.02±0.01。training set(131例)でVTTQのせん断弾性波速度(SWV)や背景因子とF因子の相関を検討、肝線維化予測式を算出、validation set(47例)で検証。【結果】F因子別SWVは F1:1.06±0.17m/s、F2:1.37±0.28m/s、F3:1.96±0.64m/s、F4:2.32m/s±0.52m/s(r=0.725)。他INR(r=0.545)、Alb(r=0.469)、Bil (r=0.436)、AST(r=0.401)、ALT(r=0.372)、血小板(r=-0.238)がF因子と有意に相関し多変量解析でSWV、PT-INR、ALTが独立因子であり、予測式VIA index=-1.282+0.965×SWV+1.785×INR+0.00185×ALTを算出。各F因子別AUROC、感度、特異度、PPV、NPVはVIA index;F1/2:0.776、83.3、71.9、42.6、94.5、F2/3:0.851、84.9、85.2、95.2、62.2、F3/4:0.913、93.7、88.9、99、53.3、SWV;F1/2:0.776、83.3、71.9、2.6、94.5、F2/3:0.832、84.9、81.5、94、61.1、F3/4:0.913、93.7、88.9、99、53.3 で、VIA indexでの予測が良好であった。Validation setでもVIA index; F1/2:0.776、75、92、45、82.4、F2/3:0.851、96.8、66.7、93.8、80、SWV;0.766、58.3、56、45、82.1、F2/3:0.832、93.5、66.7、93.8、80と同様であった。【結語】VTTQはそれだけで肝線維化予測は十分可能であったが、血液生化学検査を組合わせたVIA indexにより、より正確かつF因子に近い値が非侵襲的に得られると思われる。
索引用語 肝繊維化, VTTQ