セッション情報 | ワークショップ11(消化器病学会・肝臓学会・消化器がん検診学会合同)低侵襲な肝疾患診断法の進歩 |
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タイトル | 消W11-6:Support Vector Machineを用いたReal-time Tissue ElastographyによるF Stage推定値 |
演者 | 矢田 典久(近畿大・消化器内科) |
共同演者 | 藤本 研治(国立南和歌山医療センター・臨床研究部), 工藤 正俊(近畿大・消化器内科) |
抄録 | 【はじめに】近年注目を集めているパーセプトロン型パターン認識手法であるSupport Vector Machine(以下SVM)は、パターン認識の能力において最も優秀な学習モデルの1つであることが知られている。本来線形識別器であるが、カーネル関数と組み合わせることで学習の簡便さを失うことなく非線形に容易に拡張できる。過去に我々が報告したLF Index(肝臓 Vol. 51 (2010) , No. 9 pp.539-541)は、C型慢性肝炎症例のReal-time Tissue Elastography(以下RTE)の特徴量の重回帰分析により算出したF stage 推定値である。後の検討により特徴量の中には非線形関係のものが含まれていたが、重回帰分析は線形関係のものにしか適応できない。そこで非線形関係であっても解析可能なSVMを用いて、新たなF stage 推定値であるLF Index(SVM)を導き出し、その有用性を検討した。 【方法】LF Indexを算出したのと同一の310例のC型慢性肝炎症例および15例の健常者の組織F stageとRTE特徴量からLF Index(SVM)を学習した。肝生検、RTE、FibroScanを同時に施行した別の44例のC型慢性肝炎症例からLF IndexとLF Index(SVM)を算出し、これらとFibroScan の測定値であるLiver Stiffness Measurement(以下LSM)をF Stageと比較し検討した。 【結果】LSMは、大きく外れる値を呈したり、測定困難・測定不能例があった。RTEは全例で施行可能であった。LF Index、LF Index(SVM)、LSMは、それぞれr = 0.56, 0.54, 0.60とF Stageとの間に有意な相関関係を呈した。また、いずれの値もF1/F2-4、F1-2/F3-4、F1-3/F4群間で有意差を呈した。LF Index、LF Index(SVM)は、F1/F3、F1/F4、F2/F3、F2/F4間でも有意差を認めたが、LSMはF1/F3、F1/F4、F2/F4間でのみ有意差を呈した。 【考察】今回の検討では、LF Index(SVM)とLF Indexとの大きな違いはなかったが、今後症例を重ね更なる検討が必要であると思われた。 |
索引用語 | Support Vector Machine, Real-time Tissue Elastography |