セッション情報 ワークショップ11(消化器病学会・肝臓学会・消化器がん検診学会合同)

低侵襲な肝疾患診断法の進歩

タイトル 肝W11-11:

Fib-4はB型慢性肝炎抗ウイルス療法の肝線維化改善効果の評価および発癌予測に有用性である

演者 澤田 康司(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科)
共同演者 大竹 孝明(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科), 高後 裕(旭川医大・消化器・血液腫瘍制御内科)
抄録 【背景】HBV関連肝発癌は線維化進展例に多くみられ、肝線維化の評価は重要であり、そのgolden standardは組織診断である。近年、非侵襲的肝線維化マーカーの有用性がC型慢性肝炎や非アルコール性脂肪性肝疾患において報告されているが、B型慢性肝炎(Hep B)においては少ない。今回HepBの線維化ステージ診断における非侵襲的肝線維化マーカーに関して検討した。【方法】当院において1988-2011年の間に施行され線維化ステージの評価可能であったHepBの肝生検例114例、肝切除例24例に対して肝線維化と血小板、AST/ALT比、APRI、Fib-4との関連について検討した。更に核酸アナログ製剤(NAs)投与例に対して投与前後での非侵襲的肝線維化マーカーの推移について検討した。【結果】男性109例、女性29例、年齢16~80歳(中央値44歳)、線維化ステージはF0: 0例、F1: 41例、F2: 34例、F3: 21例、F4: 42例であった。血小板は非線維化進展例 (F1+F2)で89~354 (中央値195)、線維化進展例 (F3+F4)で24~229(中央値115)(p<0.0001)、AST/ALT比はそれぞれ0.16~1.88 (中央値0.55)、 0.34~2.10 (中央値0.88)(p<0.0001)、Fib-4は0.25~4.36 (中央値1.13)、0.73~20.46 (中央値2.86)(p<0.0001)と両群間で差を認めたが、APRIでは差を認めなかった。AUROCはFib-4が0.836、血小板が0.853、AST/ALTが0.758であった。NAs投与によるFib-4の変化を治療群44例と経過観察群18例で比較検討した。NAs治療開始1年以上の症例ではNAs治療群で38例にFib-4の改善が見られたが、経過観察群では5例のみの改善であった(p<0.0001)。更にNAs治療1年以上の症例での肝発癌群には有意にfib-4改善例が少なかった(p=0.0239)。【結論】HepBにおいて非侵襲的線維化マーカーは線維化ステージの推測に有用であり、特にFib-4はNAs長期投与による肝線維化改善効果を評価できるマーカーであることが示唆された。更にNAs治療群におけるHCC発症予測に有用なパラメーターになる可能性が示唆された。
索引用語 B型肝炎, 肝線維化マーカー