セッション情報 | ワークショップ「胆膵疾患診療のup to date」 |
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タイトル | WS-06:膵胆道疾患に対する内視鏡外科治療 -現状とこれからの展望- |
演者 | 森川 孝則(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER東北大学病院 胃腸外科) |
共同演者 | 内藤 剛(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER東北大学病院 胃腸外科), 鹿郷 昌之(東北大学病院 胃腸外科), 田中 直樹(東北大学病院 胃腸外科), 大塚 英郎(東北大学病院 肝胆膵外科), 佐々木 宏之(東北大学病院 胃腸外科DELIMITER東北大学 災害科学国際研究所 災害医療国際協力学分野), 神山 篤史(東北大学病院 胃腸外科), 大沼 忍(東北大学病院 胃腸外科), 水間 正道(東北大学病院 肝胆膵外科), 坂田 直昭(東北大学病院 肝胆膵外科), 乙供 茂(東北大学病院 肝胆膵外科), 中川 圭(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER東北大学病院 統合がん治療外科), 岡田 恭穂(東北大学病院 肝胆膵外科), 林 洋毅(東北大学病院 肝胆膵外科), 吉田 寛(東北大学病院 肝胆膵外科), 小川 仁(東北大学病院 胃腸外科), 元井 冬彦(東北大学病院 肝胆膵外科), 片寄 友(東北大学病院 統合がん治療外科), 柴田 近(東北大学病院 胃腸外科), 江川 新一(東北大学 災害科学国際研究所 災害医療国際協力学分野), 海野 倫明(東北大学病院 肝胆膵外科DELIMITER東北大学病院 胃腸外科) |
抄録 | [背景]腹腔鏡下胆嚢摘出術から始まった腹腔鏡下手術は,消化管領域での発展・進歩を経て,再び肝胆膵外科領域へと,その適応範囲を拡大して来ている.2010年には腹腔鏡下肝切除術が, 2012年には腹腔鏡下膵体尾部切除術および核出術が保険収載され,今まで高難度とされてきた術式が標準術式とされる日も間近である.今回,当教室での膵胆道疾患に対する内視鏡外科治療の成績を再検討し,今後の展望を報告する. [当教室の成績]腹腔鏡下膵手術の適応は膵体尾部の低悪性度腫瘍および良性疾患としており,今までに,腹腔鏡下体尾部切除術29例,腹腔鏡下膵腫瘍核出術12例,腹腔鏡下嚢胞消化管吻合術6例,腹腔鏡下壊死組織除去術3例を行っている.腹腔鏡下膵体尾部切除術および核出術を前期・後期に分けて検討すると,出血量290 vs. 86 mL,手術時間392 vs. 230分,術後在院日数24 vs. 14日と著明に減少しており,今まで超高難度とされていた腹腔鏡下脾温存膵体尾部切除術も安全に施行可能であった.これら術式が確立した現在,次のステップに進む手技上の準備は整ったと感じている.胆道系では,以前より適応としていた腹腔鏡下胆嚢摘出術,総胆管切石術に加え,2011年9月より先天性胆道拡張症に対する腹腔鏡下肝外胆管切除術を行っている.また,胆管空腸吻合手技の確実性を更に向上させるため,2012年5月からは手術支援ロボットda Vinciを用いたロボット支援腹腔鏡下肝外胆管切除術を導入している.現時点では,腹腔鏡下肝外胆管切除術例はまだ4例であるが,平均手術時間451分,出血量12.7 mL,平均在院日数14日と良好な結果を得ている. [今後の展望]膵疾患に対する腹腔鏡下手術は,腹腔鏡下膵中央切除術,膵頭十二指腸切除術を視野に置き,その準備を進めているところである.胆道疾患に関しては,先天性胆道拡張症がロボット支援腹腔鏡下手術の非常に良い適応と考えており,先進医療認定を目指し手術症例を集積しているところである. |
索引用語 | 腹腔鏡下膵切除術, 先天性胆道拡張症 |