セッション情報 | ワークショップ「胆膵疾患診療のup to date」 |
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タイトル | WS-11:巨大胆管結石に対する内視鏡的乳頭切開+ラージバルーン法による治療成績 |
演者 | 鎌田 健太郎(秋田大学 医学部 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科) |
共同演者 | 佐藤 亘(秋田大学 医学部 消化器内科), 後藤 隆(秋田大学 医学部 消化器内科), 三浦 光一(秋田大学 医学部 消化器内科), 大嶋 重敏(秋田大学 医学部 消化器内科), 渋谷 友美(秋田大学 医学部 消化器内科), 道免 孝洋(秋田大学 医学部 消化器内科), 金田 遼(秋田大学 医学部 消化器内科), 酒井 利隆(秋田大学 医学部 消化器内科), 千葉 充(秋田大学 医学部 消化器内科), 杉本 有孝(秋田大学 医学部 消化器内科), 南 慎一郎(秋田大学 医学部 消化器内科), 後藤田 卓志(東京医大 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科), 草野 央(東京医大 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科), 野中 雅也(東京医大 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科), 竹内 眞美(東京医大 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科), 佐藤 丈征(東京医大 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科), 河野 真(東京医大 消化器内科DELIMITER由利組合総合病院 消化器科), 糸井 隆夫(東京医大 消化器内科), 大西 洋英(秋田大学 医学部 消化器内科) |
抄録 | 【目的】胆管結石症に対する治療方法として内視鏡的乳頭括約筋切開術(EST)による結石除去術は確立されている。しかし、巨大胆管結石や積み上げ結石においては治療に難渋する場合が多い。近年そのような症例に対してEST+ラージバルーン法(EPLBD)による結石除去術の有効性、安全性が報告されている。今回、EST+EPLBDによる結石除去術の治療成績について検討する。【方法】対象は2011年9月より2012年10月までに本法を施行した23例(男性16例、女性7例、平均年齢75.4±10.5歳:50-89歳)。EPLBDの適応基準は結石短径が10mm以上の単結石例、または結石長径が10mm以上の結石を含む複数結石例とした。EPLBDはEST後にラージバルーンをガイドワイヤー下に挿入し乳頭を拡張した。バルーン径は結石、胆管径に合わせて選択した。最大長径が20mm以上の症例は機械式結石破砕器具(ML)を使用した。【成績】EST既往5例(21%)、憩室合併13例(57%)、有胆嚢15例(65%)、胆嚢結石7例(30%)、術後胃3例(BillrothI法2例、BillrotII法1例)であった。胆管径18.1±4.9mm、結石径17.5±5.3mm、個数3.3±2個、ML使用4例であり、治療回数は10個の積み上げ結石を有した1例を除いて1回で完全切石し得た(96%)。偶発症は憩室内乳頭のため経乳頭的な胆管カニュレーションが困難でありEUSランデブー法を用いてカニュレーションを行った後に本法を施行した症例での胆管炎1例。その他大きな偶発症は認めなかった。結石残存症例1例はplastic tubeを留置し、後日完全除去が可能であった。2012年11月までの観察期間(1~13ヶ月)において再発は1例も認めていない。【結論】巨大胆管結石に対するEST+EPLBDは有用な治療法であり、高齢者症例や憩室合併が高頻度であっても比較的安全に施行でき、再発率も低率であった。今後はさらに症例を蓄積し安全かつ確実な方法と適応基準の確立、および再発を含めた長期予後の検討が必要であると考えられた。 |
索引用語 | 総胆管結石, EPLBD |